過去ログ - 俺の作ったギャルゲーで遊んで行かないか
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6: ◆ZwUtbaILG.[sage]
2015/02/28(土) 01:23:26.59 ID:VcydEUliO
俺の友人の一人である乃島 信介(のじま しんすけ)が妙な事を言い出したのはほんの数時間前の事だった。

「俺、雛菱祭までに彼女作る!」
「おい、急にどうしたんだよ、何かあったのか?」

唐突な信介の言葉に話の流れが見えず、思わず訊き返すと、信介は呆れた顔でこちらを見る。

「お前は学園祭を俺と回るつもりか?」

彼女も居ないし、友人も信介を含めあまり居ない。

そうだ、と答えると彼は悲しそうな顔でこちらを見つめるのだった。

「高校2年の学園祭は実質俺達にとっちゃ最後の学園祭と言っても良い! だから受験勉強の前の重要な学園祭で俺は思い出を作りたい! 可愛い女の子と一緒に過ごしたいんだよ!」

そうか、と思わずその熱意に押されて頷くと、信介はにんまりと顔をにやつかせた。

「だからお前も彼女を作る努力をしろ!」
「何でだよ、俺は関係ないだろ!」
「良いだろ、一緒に努力、しようぜ!」
「一緒にトイレ行こ、とか言う女子高生かお前は!」

だって本当に高校生じゃん、と口を尖らせた信介はぽん、と拳で胸を叩いた。

「俺も協力するから、さ!」
「だから?」
「お前ももっと人と関わった方が絶対良いって! このまま大学進んでも意味無いって! だろ?」

確かに口数は少ない。
幼稚園や小学生の頃はあんなに喋りまくれたのに、と懐かしむ事も多々あるくらいだ。

「まあそういう理由なら良いがな……」
「じゃあそういう理由で良いから! 俺は違うけどな!」
「お前はいつも最後の一言が余計だ!」

喧しくて交友関係も広いこいつがわざわざこんな俺と一緒に過ごしてくれ、こんなアドバイスまでくれる。

何だか色々疑問にしたい事もあったが、取り敢えず努力はしてみようと、俺は床に就いた。





「ちょっと、兄貴、朝だよ朝! 遅刻するよ!」

ガバッと布団を捲りあげ、カーテンを大雑把に開ける音がする。

カーテンレール壊れちまう、と寝ぼけ眼を擦りながら起き上がると、妹の詩子(うたこ)が仁王立ちで立っていた。

「せっかく私が労力使って起こしてるんだから早くしなよ!」
「う、分かってる!」

あー朝から面倒なんだからなー、と頭を掻きながら階下へ降りていく妹に手を合わせて感謝しながら着替えを済ませ、学校へ向かった。





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