過去ログ - 前川みく「Pなんて大っ嫌いにゃ」
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69:名無しNIPPER[saga]
2015/03/06(金) 10:20:16.19 ID:SjiOCUPJ0
真面目がかっこいいだとかかっこ悪いだとかそういうのじゃなくて、なぜ私は真面目なのだろうと思うのだ。
私はお父さんに、言われるがまま幼い頃から勉強をしてきた。そしてきっとお父さんのように真面目な、まともな大人になるのだと思っていた。
けれどふと思ったのだ。
70:名無しNIPPER[saga]
2015/03/06(金) 10:22:08.77 ID:SjiOCUPJ0
そんな私のストレス解消法は野良猫を探して遊ぶことだった。
ねこカフェ巡りも良いけど、いつも行っているとお金が足りなくなる。
だから最近は野良猫探しをするようになった。
71:名無しNIPPER
2015/03/06(金) 10:22:56.29 ID:SjiOCUPJ0
「ごっ、ごっ、ごめんなさい!」
「いや、俺の方こそごめんな。驚かせるつもりじゃなかったんだ」
男の人は後ろに二歩下がった。
72:名無しNIPPER[saga]
2015/03/06(金) 10:23:47.53 ID:SjiOCUPJ0
「いえっ、私がぶつかったのに貰えません!」
「でもこちらも悪いしなー」
男はしばらく悩んで、何かを閃いて自分のポケットを漁りだした。
73:名無しNIPPER[saga]
2015/03/06(金) 10:24:35.09 ID:SjiOCUPJ0
「あっ、ごめん!…怖いって、俺が?ライブが?」
「…両方です」
「はは、結構正直だね。まあ、嫌ならいいよ。無理に来ることはない、君にあげたチケットだ君が決めればいいよ」
74:名無しNIPPER[saga]
2015/03/06(金) 10:25:18.70 ID:SjiOCUPJ0
中に入ると思ったより落ち着いていて安心した。ただこちらを伺っている男の人達が
何人かいて、少し居心地が悪かった。
そして最初の演奏が始まると、ここに来たことを後悔した。
ロックは今までちゃんと聞いた事がなくて、ただなんだかうるさい音楽だなぼんやりと思っていただけだった。しかし今、そのぼんやりとした思いはしっかりとした形になった。
75:名無しNIPPER[saga]
2015/03/06(金) 10:26:22.26 ID:SjiOCUPJ0
結局その人が出てきたのは一番最後だった。
ステージから疲弊しきった私を見つけて、その人は嬉しそうに笑った。
その笑顔を見て、私よりも無邪気に笑うんじゃないかと感じた。
その人はマイクを構えた瞬間に、表情がいきなり変わった。その人は囁くように歌い始める。楽器隊は動かないで、その人の声に聞き惚れているようにも見えた。
76:名無しNIPPER[saga]
2015/03/06(金) 10:27:06.32 ID:SjiOCUPJ0
みんなが同じような表情でその人を見ている。さっきまで奇妙に見えた光景も、凄く優しいものに見えた。
あの人からはこの光景が、どんな風に見えているんだろうと思った。
77:名無しNIPPER[saga]
2015/03/06(金) 10:27:54.91 ID:SjiOCUPJ0
「私は大人って、やりたい事だけやってるんじゃ駄目だと思うんですけど」
「じゃあ子供でいいさ」
「いつまで子供でいる気ですか?」
78:名無しNIPPER[saga]
2015/03/06(金) 10:28:51.71 ID:SjiOCUPJ0
「別に叶うかどうかとか、難しいか簡単かで考えてないからだよ。ただ、こうしたいって思う事に向かってるだけだよ」
「なんで?」
「だって死ぬ時に後悔したくないじゃん」
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