過去ログ - 仕事を辞めた俺は超自然現象対策室に再就職した　最終章・前編 -SS速報VIP

過去ログ - 仕事を辞めた俺は超自然現象対策室に再就職した　最終章・前編

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24:名無しNIPPER[sage saga]
2015/03/06(金) 03:25:44.09 ID:eb7/ejZ10
「――よう、人間」

　ここは――？

　怪物を俺に取り込む為の儀式が始まって、それから……

25:名無しNIPPER[sage saga]
2015/03/06(金) 03:28:09.58 ID:eb7/ejZ10
「だが、それは無理な相談だ」
「――何故だ！？」

　きっぱりと提案を切り捨てる怪物。

26:名無しNIPPER[sage saga]
2015/03/06(金) 03:31:31.48 ID:eb7/ejZ10
　お前たち人間が生きる世界を「表」とするならば、俺が生きる世界は「裏」だ。
　俺はもう一つの世界。
　そしてお前たちにとっての幸福や希望であり絶望……　怒り、憎しみでもある。

――希望、絶望？

以下略

27:名無しNIPPER[sage saga]
2015/03/06(金) 03:37:43.68 ID:eb7/ejZ10
「あの娘――」

　突然狂ったように笑い出し、そして声を張り上げた怪物……　もう一人の俺。
　そう言って一点を指差す。
　その方向を辿っていくと……

以下略

28:名無しNIPPER[sage saga]
2015/03/06(金) 03:39:54.96 ID:eb7/ejZ10
　試すような視線。ギラリとした眼光。

「俺は――」

　俺の視線は彼方で磔にされる夕月のもとへと注がれる。

以下略

29:名無しNIPPER[sage saga]
2015/03/06(金) 03:43:22.63 ID:eb7/ejZ10
「俺を受け入れる？」
「――ああ」
「あの娘のようになるかもしれないのに？」
「そうだ」
「あの娘を助けたいのか？」

以下略

30:名無しNIPPER[sage saga]
2015/03/06(金) 03:46:29.90 ID:eb7/ejZ10
「終わった――」

　するともう一人の俺の体は陽炎のように揺らめき、そしてすっと消えていく。
　何事もなかったかのように消えて、そして次にツンとした微かな痛みがやって来た。
　針でちょこんとつついたような、そんな痛み。

以下略

31:名無しNIPPER[sage saga]
2015/03/06(金) 03:50:49.15 ID:eb7/ejZ10
　体が軽い。
　空気がおいしい。
　あれ？　何故だろう。
　私の体をジリジリと焼くような痛みが消え去っている。
　どうして？

以下略

32:名無しNIPPER[sage saga]
2015/03/06(金) 03:52:46.53 ID:eb7/ejZ10
　私の首に掛けられるネックレス。
　戻ってきてくれた。
　持ってきてくれた、奇跡を起こしてくれた。

「ごめんね――　私のせいで龍一が！」

以下略

33:名無しNIPPER[sage saga]
2015/03/06(金) 03:54:38.32 ID:eb7/ejZ10
　どれくらい時間が経ったか。
　しばらくの間俺は夕月と抱擁を交わしていた。
　言葉はいらない。
　沈黙の中で俺は全ての想いを彼女に伝えた。
　きっと彼女も応えてくれるだろう。

以下略

34:名無しNIPPER[sage saga]
2015/03/06(金) 03:56:32.91 ID:eb7/ejZ10
「龍一様！！」
「龍一！　そんなの駄目！」

　俺が消えれば即ちあいつも消える。
　そうすればこの一件も解決するというわけだ。

以下略

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