33:名無しNIPPER[saga]
2015/03/08(日) 00:15:06.13 ID:9VESTMO6o
「なれるよ」
プロデューサーが、手を差し出しました。
「泰葉ちゃんは、アイドルだからね」
差し出された手を握ります。
その手は私よりも少しだけ大きくて、ずっと熱いように感じられました。
「……あー、でも。魔法使いとしてはシンデレラも目指して欲しいかなーなんて」
「魔法使い?」
「プロデューサーとしての心構えだ、って先輩も社長も言ってたんだ。受け売りだけど」
プロデューサーが照れたように笑います。
「どちらにしても、夢を叶えられるよう手伝うよ。泰葉ちゃんは、もっとわがままになっていいと思う」
「わがままに……」
随分と長い間、ご無沙汰していた言葉でした。
「……あの、だったら一つお願いが」
「お、早速? いいねー、何なに?」
「このお店、ちょっと寄ってみたいです」
立ち止まっていたすぐ横のお店を指差します。
「ドール・グッズショップ……好きなんだっけ」
「はい」
頷くと、プロデューサーは怪しく笑って。
「さ、ゆっくりサボろっか」
握ったままだった手を引かれて、お店の中へと入っていきました。
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