過去ログ - 岡崎泰葉「あなたの為の雛祭り」
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40:名無しNIPPER[saga]
2015/03/08(日) 14:36:10.28 ID:9VESTMO6o

 「……ん? これは」

プロデューサーさんが気付きました。
少々頭の大きい、前髪がぱつんと切り揃えられた、小柄なドール。

 「泰葉か」

 「はい。年少組のみんなが作ってくれたんです」

渡されて初めて作り忘れていたのに気付いた時には、つい苦笑してしまいました。
ところどころが少し歪んでいて、けれど頑張って作ったのが伝わってきます。

私の、宝物です。

 「…………」

 「プロデューサーさん?」

 「良かったな、泰葉」

そう呟いたプロデューサーさんを見て、私はとても驚いてしまいました。
普段から隙の無い、鋭い目つきが印象的な、整った顔。


その表情が今は、肇ちゃんと二人の時にも滅多に見せないような微笑みで。


 「泰葉、どうした?」

 「……プロデューサーさん、そんな柔らかな表情も出来たんですね」

 「変かな」

 「とても良いと思います」

 「泰葉の今の顔に比べたら、大したものじゃないさ」

 「……私、いま笑ってます?」

 「ああ。シンデレラガールにだってなれそうな、最高の笑顔だ」

自分の顔を、ぺたぺたと手で触って確かめます。
そして、握ったままだった人形に気が付きました。


前髪をぱつんと切り揃えた、小柄な女の子。
その表情は、こちらまで楽しくなりそうな笑顔で。



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