49:名無しNIPPER[saga]
2015/03/08(日) 17:14:16.72 ID:9VESTMO6o
「うーん、前々からメイクしてみたいとは思ってたんだよね。化けそうな気配が」
簪や化粧道具箱を掲げた加蓮さんと。
「よく言いますよね。笑う門には服着たる、って」
和服を胸に抱えてにこにこと笑う楓さんが、Pさんを挟むように近付いて来ました。
「……え、いや、あの。ホントいいんで。アタシそういうの壊滅的に似合わないんで」
「こんな事言ってるけど、泰葉」
「多少のワガママは聞いてくれるそうなので、安心してください」
「なるほど。では失礼しまス」
後ろに立っていた比奈さんが、Pさんの両脇をがしりと羽交い締めにします。
Pさんの笑顔がだんだん苦笑いに変わってきた気がするのは、きっと気のせいでしょう。
「いやいやいや! アイドルはともかくさ、アタシを可愛くしようとしてもしょうがないでしょ! ねぇ皆さん!?」
「大丈夫です、私が見てみたいので。さぁ」
「泰葉ちゃん!? なんかキャラ変わってない!?」
「大人しい人形で居るのは、もうやめました」
「…………」
「これからは、ちゃんとワガママも言えるお人形さんを目指そうと思います」
「……いや、いい話風にまとめようとしてるけどさ。単なる泰葉ちゃんのシュミだよね、これ?」
「肇ちゃん、着付けはお願いしますね」
「はい。ではこちらへ」
「ねぇ! ちょっと!」
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