過去ログ - 「怪物は誰かと友達になりたかった」
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2:名無しNIPPER
2015/03/07(土) 01:34:21.90 ID:eA/I8H4n0
寂しくて寂しくてどうしようもなくなっても、死ぬ事は出来なかった。
もしかすると期待なのかもしれない。
半ば諦めていたのは本当だが、残りの半分ではまだ、誰にも気づいてもらえないSOSを出し続けているのだ。
今ただの一人でも友達が居て、手を握りながら傍にいてくれたら、それだけで何回[ピーーー]るか分からない。
怪物は両手をもみながら、友達が握ってくれたらどんな感じだろうと想像した。
小説は何度となく読んだが、他人の温もりがどうとか言う場面はいつも飛ばしていた。
そうでなくても読むのに辛いシーンは多い。
怪物は聡明である。
誰からも忌み嫌われる事なんて痛いほどによく知っていたが、それでいいと思ったことはただの一度もなかった。
湖に水を汲みにいくと、魚は蜘蛛の子を散らすように逃げる。
今更そんな事で悲しみはしないが、どうしても水面には自分の姿が写ってしまう。
ああ、こんなにも神さまが諦めなさいと言って下さっている。
見るたびに思うのに、どうしても半分だけは諦めきれないのだった。
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