12: ◆/BueNLs5lw[saga]
2015/03/08(日) 22:51:04.89 ID:1QR5mBl70
かやは私の4つ上だった。
お隣さんで、昔から仕事で家を空けがちな母の代わりにお世話をしてくれていた。
当時、中学生だった私は、大学生の彼女の手をよく焼かせていた。
結婚したのは、確か、彼女が27。
相手は同じ会社の営業マン。
私も就職して、福岡に引っ越ししたばかりだった。
彼の話は、私が大阪の専門学校にいた頃から何度か聞いていた。
自慢話とか、惚気とかそういうものではなく、
どちらかというと悩んでいた印象だった。
誕生日に何かと物をもらうとか。
食事によく誘われるとか。
どうしたらいいか。
そう言って、たまに大阪に会いに来てくれた時など、困り顔で笑っていた。
『ご飯くらい行ってあげなよ』
と、言ったのは私だった。
なにせ、私とかやはその頃、まだ恋人というカテゴリーに分類される関係で、
まさか、一度の食事がきっかけで何かが起こるなんて思わなかった。
私はかやを信じていたし、かやだって――。
まあ、全てそれは当時の話でしかない。
今思えば、女同士の恋愛など、しょせん男の代わりでしかなかったのだ。
友達や幼馴染の延長。
彼を紹介された時の、私の中の裏切られたという気持ちも、おままごとでしかなかったのだ。
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