17:名無しNIPPER
2015/03/08(日) 18:33:40.32 ID:uOG/oP9Z0
ああいう娘たちも、深海凄艦と戦うことになるのか……そう思うと、なんだかやるせない気持ちになる。
しかし、やって来た艦むすが皆、真面目そうで良かった。まあ、問題児みたいなのはいないとは思うのだが。
ただ、一つ気になる事がある。
あの娘たちは、ここに来る前は何をしていたのだろうか……
18:名無しNIPPER
2015/03/08(日) 18:34:14.54 ID:uOG/oP9Z0
<IN 艦むす養成施設>
講師「今日の授業はここまでだ。前にも言ったが、テストは全て抜き打ちだ。勉強を欠かさないでほしい。鎮守府に入ったら、座学はない。この時期にしっかりと勉強しなさい。では、また来週」
艦むす達「ありがとうございました!」
19:名無しNIPPER
2015/03/08(日) 18:34:43.42 ID:uOG/oP9Z0
……私はこの施設で、艦むす達の講師をやっている。さっきの授業は化学。浸透圧とか希薄溶液とかの高度な理論の話はほとんどせず、無機の話ばかりをしている。もちろん、高校化学のレベルだ。
最初に、この施設への赴任が決まったときは、不安で寝不足になっていた。
最新のクローン技術で作られた、戦うためのヒト形生物への教育。
不安にならないわけがない。
20:名無しNIPPER
2015/03/08(日) 18:35:17.88 ID:uOG/oP9Z0
意志を持ち、感情を持ち。食事をし、排便をし。友情を築き、信頼し、時に喧嘩し。
普通の人間と何一つ変わらないのだ。
私はかつて、誰も会話をしようとしないために静まりかえり、毎日どこかしらで喧嘩が起こり、警備の銃声が飛び交う。そんな環境を想定していたものだ。
21:名無しNIPPER
2015/03/08(日) 18:36:01.92 ID:uOG/oP9Z0
***
?「そうか、温かそうな鎮守府で安心したよ。ありがとう、電」
電「はい、司令官さんはとても優しいのです。電がいつもどおりの自己紹介をしたら、『そんなに堅くしなくて言い』なんていってくれたのです」
22:名無しNIPPER
2015/03/08(日) 18:36:32.26 ID:uOG/oP9Z0
<Ep3: clone>
提督となり、数ヶ月が経過した。
艦むすの数も増え、戦果もマイペースに増やしている。そして、私の趣味で、戦場に似合わないユルさを維持している。……あのあと来た、どの艦むすも、初対面からなれなれしかったのだが。
23:名無しNIPPER
2015/03/08(日) 18:37:06.20 ID:uOG/oP9Z0
いざというときに、鈍っているのは鎮守府として痛いし、何といっても、戦友として、出来るだけ贔屓したくない。
ただ、あるときふと、思うのだ。
この娘たちは皆、クローンである。
24:名無しNIPPER
2015/03/08(日) 18:37:31.89 ID:uOG/oP9Z0
***
吹雪「初雪ちゃん、少しは身の回りの整理整頓をしてよ。部屋が狭いじゃん!」
初雪「ふ、吹雪は真面目過ぎるんだよ……鎮守府でも勉強するって田中先生からもらった本、結局中途半端じゃん……」
25:名無しNIPPER
2015/03/08(日) 18:37:59.48 ID:uOG/oP9Z0
ドアの向こうから、いきなり聞こえる声。提督のそれ
吹雪はドアを開けに行く。
吹雪「べ、別にまだ捨てると決めたわけじゃ……」
26:名無しNIPPER
2015/03/08(日) 18:38:32.14 ID:uOG/oP9Z0
提督「遠征続きだったから、さすがに疲れたみたいだ。ソファーで寝ていた……もし本を捨てるんだったら、提督室までもってこい。古紙として、別にするから……ん?」
吹雪の持っている本の題名。
『軍事利用の科学 〜毒ガスからコンピュータまで』著・田中茂
27:名無しNIPPER
2015/03/08(日) 18:39:05.67 ID:uOG/oP9Z0
吹雪「あ、はい、役職としては講師みたいですが、勉強の全般を教えてくれました。テストはいつも抜き打ち。成績は全て順位と一緒に全員張り出す。厳しい先生でした」
提督「ああ、そうか…………あいつらしいなぁ」
吹雪「あの、司令官は、田中先生を知っているんですか?」
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