6:名無しNIPPER[saga]
2015/03/10(火) 01:22:32.35 ID:eIfs/RqE0
  
 「でしたら、プライベート用もあるんですか…?」 
  
 「ん。ああ、ほら」 
  
  
 肇は全く予想だにしていなかった事を口にした。 
  
 頭に疑問符を浮かべつつも、右手でだけハンドルを握って、一方でスーツのポケットから今ではもう古くなった二つ折りの携帯を取り出す。 
  
  
 「結局、こっちも親兄弟くらいしか入ってないから、肇の言う事は間違ってないのかもな」 
  
 「そ、そんなことは…」 
  
 「冗談だよ」 
  
  
 珍しく戸惑った様子の肇に笑いかけながら、何となくそちらの携帯も肇に渡す。 
  
 なんだか決まりが悪い様な気がして、手持無沙汰になった左手はカーエアコンを弄る振りをして誤魔化していた。 
  
 …後になって考えると、きっと俺は無意識に、肇にこっちの方にかけて欲しいと思っていたんじゃないかと、そう思った。 
  
  
  
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