過去ログ - 弦太朗「俺は全ての艦娘と友達になる男、如月弦太朗だ!!」
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◆li7/Wegg1c
[saga]
2015/03/10(火) 20:45:43.02 ID:ntK8vjHb0
「私・・・、バケモノじゃない・・・。ですよね・・・?」
「何言うとんねん、どこからどー見てもかわいい女の子やんか!」
何気ない言葉だけど、嬉しかった。
私は、バケモノじゃないんだ・・・!
「ありがとう・・・ございます・・・」
そういうのが精一杯だった。
嬉しかった。涙が溢れてきて、止まらなかった。
胸の中に詰まっていたつかえがすっぽりと抜け落ちたような気分だった。
そこに、追いついてきたユウキさん達が来た。
「いたいた! ナゲロパちゃんご苦労様!!」
気がつくと、私の周りを小さな円盤のような機械が光を放つ妖精のように飛んでいた。
そして、食べ物と動物を混ぜ合わせたような機械たちが、私の周りで優しく吠えかけた。
「如月ちゃん。生まれなんか関係ないよ。アナタがどう生きていくか、それが一番大事なんじゃないかな?」とユウキさん。
「私が、どう生きていくか・・・?」
「そう。私も昔、怪物になっちゃったことがあったから、わかるんだ・・・」
静かにユウキさんは言った。どこか懐かしむような表情をしていた。
「でもね、弦ちゃんの、ううん、みんなの友情が、私を助けてくれたんだ」
「そうだったな・・・」と賢吾さん。
「あの時気づいてくれたの、賢吾くんが一番最初だったんだよね。ちょっと嬉しかったんだよ、あの時・・・」
「いやっ、そのっ、アレは・・・」
クールな雰囲気がどこへやら、しどろもどろに顔を赤くしてそっぽを向く賢吾さん。
「ふふっ・・・」思わず私も微笑んでしまった。
こほんと咳払いをし、賢吾さんが話し始めた。
「如月ちゃん。たとえキミがトライアルの技術を使って生まれた者だったとしても、キミの心は間違いなく人間だ。
少なくとも俺はそう断言できる」
「賢吾さん・・・」
嬉しかった。みんなが私を受け入れてくれていた。
ヤダもう・・・! 涙で顔がしわくちゃだよ・・・。
「おぉ、そうや! 如月ちゃん言うたっけ?
アンタもし良かったら、いろはにほへと組で住み込みで働かんか? ちょーど人手足りんて困っとったんやわ!」
「え・・・?」
「えぇなぁ! はじめもまことも、お姉ちゃんができて喜ぶやろな!! あ、はじめとしんってうちらのかわえぇこども達や!」
戸惑う私。でも、黙って賢吾さんとユウキさんが肩を叩いてくれた。
「はい・・・、ありがとうございます・・・!」
変だな・・・。
すごく嬉しいはずなのに、涙が止まらなかった。
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