過去ログ - 神さま「すっげーいらない能力をあげる」
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221:名無しNIPPER[saga]
2015/03/28(土) 12:29:34.96 ID:MBT5BS8Q0
−※−


そこは山奥だった。

人里離れた場所に不似合いな大きな屋敷は、宮殿と言っても差支えないほどに聳えていた。


巨大な玄関から入ってすぐの大広間には、人影が二つ。


貴族「ははは、こりずにまた来たのかね。庶民の感覚は分からないがそんなにお金が大事かい?」

ヤクザ「アンタにゃ一生かけても悟れんだろうよ。世の中金さえありゃ何でも出来んだ」

貴族「んー……察するに君は何か、のっぴきならない事情とやらで大金が要る……と」

ヤクザ「ああそうだ、組を再興するには金が要る。枯れ木のようになったオジキも逃げ出した若い衆も、金さえありゃ取り戻せる」

貴族「随分御大層な願いで結構、結構。叶う事を祈ってるよ」

ヤクザ「へ、祈りついでにちょこっと気絶してくれるとありがたいぜぇ」

貴族「君の願いが叶うのは我輩としてもそれほど嬉しいことはない。ただし、君の如き庶民のためにそこまでしてやるのは我輩の流儀に大きく反する……」

ヤクザ「相も変わらず嫌な野郎だな、お前」

貴族「嫌なのは君の方だ。ヤクザはカタギに手を出さないと聞いていたのだが、もう目も見えないか」

ヤクザ「組を失った俺はヤクザなんかじゃねぇ。ただのその辺歩いてるチンピラだ」

貴族「最近のキンピラはわざわざこんな屋敷にまで殴り込んでくるのだな。畏れ入ったよ」

ヤクザ「キンピラじゃねぇ、チンピラだ。もうなりふり構ってられねぇんだよ」


貴族はやれやれと天を仰ぎ、それから両手を大きく広げた。


貴族「招かれざる客にはそれ相応の馳走を喰らわせてやらなければなるまい。いいぞ、どこからでも。

      パラキオン
我輩の『血を吹き出す力』でお相手致そう」


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