過去ログ - 梅木音葉の場合
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12: ◆Freege5emM[saga]
2015/03/10(火) 23:40:22.25 ID:NvNrK1sjo

●11

音葉は、ベッドと俺に仰向けの身体を挟まれたまま、俺の首に手を回してきた。
肌に加えて粘膜をこすり合わせていると、俺も音葉の皮一枚下の熱と揺らめきが掴めそうだ。

「……プロデューサーさん……私と貴方のユニゾン、ちゃんと合わせてください……」

音葉が耳元でぼやいてくる。
足の付根から肩口まで密着していて、表情は視界に入っていないが、
網膜の裏に恨めしげな目の音葉が浮かんで漂う。

「……聞いてますか、プロデューサーさんったら……」

射精の余韻が抜けず惚けていると、音葉は口調を黄色く尖らせ、
今度は両足で俺の下半身をかたかた揺さぶってくる。

「まぁ……でも、久々ですからね。これで打ち止め、なんて話は無いでしょう……?」



そりゃ、確かにこのままシてもいい。それも心地よかろうよ。
あの梅木音葉と、五感まで交じり合うようなセックスができるのだから。
実際、じくじくと燻っている音葉の中で、俺のペニスは気炎を取り戻しつつあった。

「貴方は、まだまだ足りないのでは……」

ただ、一度射精して雄の本能が落ち着きを見せると、
今夜ずっとこんな調子の音葉の口ぶりが気になってくる。

「お疲れですか……? ふふ、私は急かしたりはしませんよ、ですから」

音葉の“させてあげる”って振る舞いが、男として気になってくる。



「……何か、お気に召さないことでも……?」

俺が引っかかりを自覚した直後、音葉が小さくつぶやく。察しが早い。

音葉はさっきから“させてあげる”とは言ってくれたが、
では音葉自身は別にしたいとも思っていないのか。

「プロデューサー、さんっ」

身体を重ねているのも、あくまで俺の我儘を聞いているという体がいいのか。
音葉だって心待ちにしていたくせに。わざと言わないようにしてる。
もういい加減素直になってくれてもいいだろうに。



「……貴方も、私の音が見えたら、良かったのに」

音葉は手足をぎゅっと力ませて巻きつけてくる。
締め付けられる感触は、音葉の金髪をくすませた琥珀色か。

「なんて思いましたが……貴方は私のこと、わかっていて素知らぬふりしてますね」

やっぱり、こんなに近いと何でも音葉に筒抜けになってしまう。


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