過去ログ - 【ミリマス】聖母はただ堕ちていく
1- 20
15:名無しNIPPER[saga]
2015/03/14(土) 18:18:48.56 ID:iUBKN6lqO
「そうだ、明日にしようと思っていたけど今にしておくか」


私の気持ちも気付きもしない彼は笑顔でこちらに歩みよりくたびれた鞄から小包を取り出しました。

「お、やっぱりこの色は朋花に似合うな」


出てきたのは水色のブレスレット。センスの無い彼にしてはとっても素敵な物。そして私の好きな色を覚えてくれていた。


「あら〜、なんですかこれは」

「たまたま繁華街で見かけたんだ。誕生日……にはまだ早すぎるけど朋花に合うと思ってさ」

「素敵なブレスレットですね〜。私の為に嬉しいですよプロデューサーさん〜。」

先ほどの決意なんてものは無くなって仕舞いました。今の私には喜びを隠すのが精一杯で。

「今は他のメンバーも大事な時期で忙しいけど一段落したらまた朋花専属のプロデューサーに戻りたいと思っている、周りがなんと言おうとな。だからこれはその約束の印なんだけど安っぽかったかな」


駄目ですよ、とは声を発することが出来なかった。出そうともしなかった。皆への、ファンや子豚ちゃん達への背徳感より光で体を包むような幸福感が気持ちを上まわってしまったのだから。愛という臼黒い塊が聖母という自制心を塗りつぶしていく。あがらえない。


ああそうでしたか……私はアイドルとしてではなく天空橋朋花でもなく聖母として彼に堕ちてしまったのですね。聖母としてあろうとして聖母として愛してしまうなんて。
いっそアイドルとして堕ちていればアイドルこそ辞める事になっても聖母のままでいられたかもしれない。天空橋朋花のままでいられたかもしれない。いや、彼に堕ちた時点で聖母から外れてしまう運命は変わらなかったのだろうか。
ああ、でも、その背徳感すらもうそれで良いと思っている私がいる。手放すことの出来ない幸福感に満ちている私がいる。
もう私は堕ちていい。その言葉にさえ今の私は気持ちの高まりを感じているのだから。


「もちろん駄目なんて言いませんよ〜、貴方は私のプロデューサーで私の元にいるのは当然なのですから。ずっと永遠に逃がしませんからね」


もう後戻りは出来ない。堕ちた聖母が戻ることはなくあとは堕ち続けるだけなのだから


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
19Res/16.35 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice