過去ログ - 新戸緋沙子「私は、お前のことが好きだ。幸平創真」
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36:名無しNIPPER
2015/03/15(日) 21:17:36.98 ID:cHhF112Q0
受け入れてくれるのだろうか、それとも、……のか。
でも私にはもう恐怖はなかった。
自分の唇をなぞる。
先制のパンチは喰らわせた。
より強力な、より超強力なものを。
負ける気はしない。
あの田所恵や、他の誰であっても。

さぁ、幸平創真。
精々全力で悩め。

私は、その返事を何時までも待つから。

〜後日談〜
「全く、あの時は後で待ってるって言ったのに。勝手に帰っちゃって」
「ごめんえりな。私も結構テンパってて……」

もう完全に敬語が抜けた私たち。主と従者じゃない、一人の友達として私たちはここにいる。
これもあの日彼が背中を押してくれたお陰だった。

「で!?」
「ひっ!?」
「ど、どうだったの!?その、告白、したの!?ねぇ!?あの、薔薇の花とか、渡したりとか!?」

グイグイ押してくるえりなを見て、あぁ完全に少女漫画に毒されてるなと心の底で涙を流す。

「い、一応告白はしたよ……。返事はまだだけど……」
「はぁ!?あのボンクラ!緋沙子の告白に即答しなかったの!?」
「ちょっ!えりな落ち着いて!」
「あー、なんなのそれ!男としてありえない!」

男としてというが、この人も果たしてどこまで異性のことを分かっているのだろうか。
と思ったが口には出さない。きっと出してはいけないことだ。

「あー、ムカつく!今から食戟してくるわ!私が勝ったら即返事!これ以外いらないわ!絶対ボコボコにしてやる!」
「あー、もう。えりなったら」

飛び出して行ったえりなを見ながら、フフと笑いが溢れる。
これで良かったと思う。まだ幸平創真からの返事はないけれど、きっと近いうちに返事を貰える。
そんな予感がする。

コンコン

「はい?」
「あー、幸平だけど、新戸いるか?」

どうやらえりなとすれ違いになってしまったようだ。
でも私にとっては好都合だった。
いや、もしかしたらえりなも分かっていて席をはずしたのかもしれない。

「入って」

何時もの軽い雰囲気とは違う、明らかな緊張した顔に思わず笑みが溢れそうになる。
さぁ、幸平創真。お前はなんて答えをくれるんだ。

「あの、昨日の返事だけどさ、そのーーーー」

また、心臓が胸を打つ。
私はあの日スタジエールで彼と組めて良かった。

出会い方は決してロマンチックでもないし、その過程も酷いものだったけど、今、彼を好きになった私を、やっと私は好きになれた。

「うんっ」

私はそう言うと彼の方へ近づき、そして。


〜完〜



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