過去ログ - 新戸緋沙子「私は、お前のことが好きだ。幸平創真」
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5:++/ryOVR0
2015/03/14(土) 18:01:17.69 ID:++/ryOVR0
「何をしている、こんなところで」
「ん?いやさら今から新作料理試そうと思ってさ。極星寮の厨房取られちまってるから、学校の厨房を借りにいくところ」

見れば手には食材などを詰めた鞄があった。

「1人でか?」
「ん?そうだけど。あれ?そういや新戸も一人だな珍しく。薙切はいないのか?」
「今日はえりな様とは別行動だ。丁度良い幸平創真」
「ん?」
「私も気分転換したかったところだ。お前の料理に付き合っても良いか?」
「へ?」

厨房に向かう途中、私は凄まじい自問自答に駆られていた。
わ、私は何を言っているんだ!いや!確かに気分転換にはなるが、よ、よりにもよって幸平創真に何故あんなことを……。
幸平創真は私の提案に快諾してくれた。寧ろ感謝された。丁度味見役が欲しかったと。
何故かはわからないが、その瞬間異様な昂揚感が私を包んでいた。
そして不思議なことに、胸の中のわだかまりも今は収まっている。

「ん?どうかしたか新戸?」
「いや、なんでもない!それより良いか幸平創真!私が付き合うのだから、練習とはいえ不出来な物を出したら許さんぞ!」
「へいへい。お前も相変わらずだなー」
「相変わらずとはなんだ!相変わらずとは!」

スタジエールの時と変わらない応酬を繰り広げながら、私は彼の調理に付き合った。
意外にも定食屋とは程遠いフランス料理の品を試作していたため、私も私で勉強になることが多かった。

「しかし意外だな。まさかお前がフランス料理に手を出すとは」
「いやー、スタジエールで四宮先輩にコテンパンにしごかれてさー」
「し、四宮!?遠月の卒業生の!?」
「ん、お、おう。第二のスタジエールは四宮先輩のとこでさ、まぁ色々あってな……」

ぶつぶつと彼にしては珍しく覇気のない顔で呟いていた。
第二のスタジエールはどうやら余程の地獄だったらしい。



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