過去ログ - 咲「中学……麻雀部に入ろうかな」
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6:名無しNIPPER[saga]
2015/03/16(月) 03:03:53.36 ID:sL8Ga9QP0
クラスメイト「宮永さん、文芸部の方はどう?」
放課後。今さっき授業が終わって、自席で帰る支度をしていた咲に声がかかる。
鞄に教科書を詰める手を止め顔を上げてみると、右隣に少女が立っていた。確かクラスメイト。
おぼろ気な記憶が呼び覚まされる。麻雀部体験に付き合ったあの日、一緒にいたクラスメイトの一人だ。
咲「楽しいよ。まだ三ヶ月くらいだけど、先輩達がフレンドリーで話も合うし」
クラスメイト「そっかー……」
奇妙な反応だった。
溶け込めてよかったね、と言外に嬉しそうにする反面、残念そうな。
何か当てが外れたみたいだ。
クラスメイトの変調を、咲は耳聡く聞きつけていた。
咲「何かあった?」
クラスメイト「えっ、と……実はね、練習で打つ相手に困ってて」
咲「打つ相手に困る、って……あれだけ入る人がいて、先輩もいるんだよね?」
クラスメイト「……先輩の人数が少ない事、気づいてた?」
咲「え? ……そういえば」
クラスメイト「先輩達が一年の時もわたしらと同じくらいは新入部員がいたんだって。……うちの麻雀部って、割と強豪みたいでさ」
咲「それって……」
クラスメイト「ま、まあ、そんな訳で、宮永さんが文芸部にあまり溶け込めてないんだったら、引き抜きに、ね?」
咲「……」
クラスメイト「気にしないで! 望んで入った皆だって嫌になってやめちゃったし! 軽々しく誘っちゃってごめんね?」
よく考えてみると彼女は一人だった。
あのとき麻雀部に入ったクラスメイトは他に何人もいたのに。その人達と目の前の彼女が接しているのを、咲はあまり見かけていない。
その人達とは縁が切れちゃったんだ。それでもこの子は麻雀を続けてる。
目の前で話すクラスメイトが咲には少しまぶしく思えた。
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