14:名無しNIPPER
2015/03/16(月) 18:35:44.50 ID:Qq9PsvFaO
そんなことを考えていたら、東の空は白んでいて、それでもまだ西の空は夜の闇を残している。
真上にはひときわキレイな星空が輝いていて、寒さがパーカーの隙間をぬって身に染み込むから、
ひとりぼっちをためらわずに吸い込んで吐き出せる。
そろそろ家に帰ろうとして歩き出すとまた一回り大きい靴のサイズがひときわ際立って、やっぱり自然とニンマリしてしまう。
いいんだ、これで、グルグルと続けていけばまたグルグルと何かが凛を満たしてグルグルとまた誰かと出会ってグルグルとグルグルと......さよならをしてでもまたグルグルと誰かと出会ってグルグルとグルグルとグルグルとグルグルと。
そうやって、歩き廻って泳いでいる凛の頬に少しだけ涙が流れて、
溜まっていった青色の中、
また少しだけ凛の気持ちも流れていくから、また少しだけ前に進める。
だけど、でも、あと少しだけ、グルグルと同じ青色の中で、
一緒に溜めた青色の中で、鮮やかなものを一緒にグルグルとグルグルと感じていたかったなって思ってる凛が、
自分でも嫌なくらい本音の凛だなぁって思って嫌いになれなくて、
徐々に歩くスピードが上がっていって最終的に、また歩き出してる朝もやの下。
頭の中ではやっぱりいつか見た水族館の水槽で架空の魚たちがグルグルと死ぬこともしないで泳ぎ続ける。
にこちゃんと希ちゃんと絵里ちゃんの卒業式が明後日となった日の朝のことだった。
おわり
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