過去ログ - 咲「誰よりも強く。それが、私が麻雀をする理由だよ」
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2:名無しNIPPER[saga]
2015/03/16(月) 18:59:14.61 ID:L6O7NDCGO



 朝。夜明けと共に寝床を抜け出し、咲は雀卓に向かい合って正座する。
 瞑目した目蓋の裏に焼きついた勝利のイメージ。
 様々な思いが去来する咲の脳裏をよぎるのは、想像できる最大の強敵の姿。宮永照。
 咲は確かな手応えを感じていた。牌譜を取り寄せ、生の映像をその目に焼きつけた姉のイメージに狂いはない。
 たとえ力を隠し持っていたとしても、咲には対処できる自信があった。

「うわあーっ! しまったーーっ!」

 しかし、完璧に思われたイメージは、薄い壁越しに漏れ聞こえてくる大声で瞬く間に霧散した。

咲「……はあ」

 脱力する。越して間もない新居、それも軽い欠陥住宅の疑いがある場所で、やるべきではなかったか。
 でもピンポイントに邪魔されるとは思わなかった。
 やるせなさを盛大なしかめっ面に変えて、咲はスリッパを履いて隣部屋に駆け足で向かった。

咲「朝からなんて声出してるんですか。近所迷惑です!」

 一喝する咲の声に「うわーうわー」と延々叫んでいた声がぴたりと止む。
 一拍おいて、部屋の主が扉からぴょこんと顔をだした。

「ご、ごめんなさい。あんまりにもあんまりだったものだから」

咲「あ……」

 思わず息を呑んだのは、その住人が明らかに異邦の空気を纏っていたから。
 小柄な体躯。青みがかった瞳。民族衣装を彷彿とさせる独特な衣服。
 控えめにこちらを窺う姿に毒気を抜かれてしまう。



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