過去ログ - 咲「誰よりも強く。それが、私が麻雀をする理由だよ」
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26:名無しNIPPER[saga]
2015/03/17(火) 12:21:18.59 ID:o/CamrnE0




明華「こちらが先ほどいらした対局室、そしてあちらが校内合宿に使う宿舎です」

 夕方から夜に差し掛かろうかという時刻。窓から差し込む薄暮の淡い光を浴びながら、明華と咲は長い廊下を歩いていた。

明華「これで回るところは終わりです。何か分からない事などありませんか?」

咲「いえ。大体わかりました。ご親切にありがとうございます」

 部室での一件から相当な時間が過ぎた。あれから対局室に連れ込まれ、洗礼とでもいうべき対局漬けの時間を送ったのだが、咲は今、ここ最近ないくらいに気持ちが充実している。

明華「宮永さん……いえ、咲さんとお呼びしてよろしいでしょうか」

咲「はい。私も明華さんと呼びたいです」

 親密な関係へと近づく言葉。
 二人の距離が縮まり、いよいよ顔が触れそうになるくらい近寄ったところで、明華がささやく。

明華「とても濃密な時間でした。素晴らしい闘牌でしたよ、咲」

咲「……楽しかった。また明日にも打ちたいです」

 ふふっ、と稚気を催したように明華が笑う。

明華「私とメグ、それに……ネリーとハオ。これだけの面子と打っておきながら、そう言える一年生は臨海にいないでしょうね」

明華「あなたは点数の上では私たちに及ばなかった。……メグはカタカタ震えていましたが」

 トラウマでも刺激されたんでしょう、と苦笑いを零す。
 咲としても、心配になるカタカタ具合だったが。結局は、不用意に立直したところを追いかけ立直された挙げ句、捲り合いを経て直撃をとられる、といった辛酸を舐めさせられた。

明華「私があなたのカンを逆手にとって槍槓してみせた。覚えていますか?」

咲「……覚えていますよ」

明華「あなたはあのとき槍槓されると思っていましたか?」

咲「率直に言えばいいえです。可能性として考えなかった訳じゃないですけど、私はそんな隙を与えるつもりで打っていないし」

 実際、インターミドルに三年間出場し、強豪校との練習試合を幾度となく経験しても。

 加槓に槍槓、ましてや暗槓に国士なんて許した事は一度たりとなかった。


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