過去ログ - 咲「誰よりも強く。それが、私が麻雀をする理由だよ」
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名無しNIPPER
[saga]
2015/03/17(火) 12:23:25.16 ID:o/CamrnE0
その経緯を聞いた明華は不可解そうに眉をひそめた。
明華「なら、なぜ槍槓されたときあれほど平静でいられたんですか?」
明華「あれは偶然だと?」
咲「あれは狙ったものでした。偶然なんかじゃない」
明華「なら、なぜ」
咲「嬉しかったからです」
明華の表情に今度は疑問の色が足された。
咲「今の私がどんなに警戒しても槍槓を決めてくる打ち手がいる」
咲「それは今の私が弱いから」
咲「だから」
咲「そんなあなたを叩きのめし、槍槓できないようにする事ができれば」
咲「私はまた一つ強くなれる」
咲「そう思っただけですよ」
明華「咲さん貴女は……」
冷や汗を垂らす明華をよそに咲は笑みを深める。
明華が最初、案内を買って出たのは好奇心だった。
普通、臨海女子ほどの麻雀部が一年一人のために道案内などしない。
だが咲は別だ。
異質なサポート体制故の特別措置。
既に咲は、留学生達と同じような活躍を期待されている。
だから、道案内にも務めるのはレギュラークラスの人間。
そこで明華はネリーやダヴァンと競合して咲の道案内の権利を勝ち取った。
そして聞きたかった事の真意を問うた。その結果がこれ。
いつのまにか、月が出ていた。
冴えざえとした月の光を浴びる咲。
その姿は、何かに魅入られたかのように幽玄の美しさを湛えていた。
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