過去ログ - 咲「誰よりも強く。それが、私が麻雀をする理由だよ」
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47:名無しNIPPER[saga]
2015/03/19(木) 17:53:18.03 ID:ZrCoTrCN0



 最近、日本で暮らす日々を楽しいと感じるようになってきた。
 麻雀を打つためだけに。
 お金のために雇われて仕方なく、という認識が薄れつつある。
 きっかけは四月に一般入学してきた同い年の女の子。
 名前は宮永咲。ネリーの隣人だ。

ネリー「サキー! 迎えにきたよ!」

 ざわめいている一般生徒の群れの中から、呼び声をかけた茶髪の少女が出てくる。咲だ。すぐさまネリーは駆け寄って、咲の手をとった。

 部室にいこう。提案するまでもなく目的は一致していた。二人で校舎を並んで歩く。

 道中、咲は積極的に話題を振ってきた。

咲「ネリーちゃんたちって授業なんかはどうしてるの?」

ネリー「授業なんてないよ。ネリーたちは麻雀のために雇われた傭兵だもん」

 試験やなんやと煩わされて麻雀が疎かになっては元も子もない。
 そのための支援を学校は惜しまない。

 ま、お偉いさんの意向だけどね。

 まだまだ馴染みの薄い一般生徒は沢山いるらしく、遠巻きにして好き勝手に噂されるのが現状だ。

 口さがない日本人に辟易する事もあったけど。最近は、気にならなくなってきた。
 例外もきちんといるから。

 その一人である咲は、下駄箱で上履きから外靴に変えながら、楽しそうにネリーの話を聞いている。

咲「ダヴァンさんや明華さんはもう部室にいるのかな?」

ネリー「メグって呼んであげた方がいいよ。『サキがよそよそしいんでス……』とかいってめんどくさいんだから」

咲「メグ……さん」

咲「……えへへ、なんだかちょっと照れちゃうね」

 ちょっぴり顔を赤らめて綻ばせた咲は、ニコ・ピロスマニの描く動物並みに愛らしかったが、見とれていたら咲と打てる麻雀の時間が減る。

 む、メグの事でそんな顔しちゃって。
 むくむくと謎の対抗心がわき上がり、自分もやってやれないかと目論んではみるものの、中々思いつかず断念した。
 ちょっと落ち込む。

ネリー「……メグたちならいると思うよ。ご飯の時間とか以外は部室だね」

 自分たち留学生はそのためにいるのだから、相応の振る舞いも見せないといけない。
 まあ、基本的に麻雀が好きなやつばかりだから、さして重荷ではないとも思う。
 「へー」と気のない返事を一見する咲。でも目つきが一瞬変わったのをネリーは見抜いていた。



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