過去ログ - 咲「誰よりも強く。それが、私が麻雀をする理由だよ」
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64:名無しNIPPER[saga]
2015/03/22(日) 12:03:11.44 ID:elEO7+rFO


 眠れない。

 日々迫る刻限が真綿となってしめつける。
 インターハイ、レギュラーの選出。先鋒の席。
 もやもやとした不安に覆われ、埒のない疑問がかま首をもたげる。

 先鋒に固執する。でも本当にそれでいいのか。固執すればするほどわからなくなる。

ネリー「練習おわったー!」

咲「お疲れさま」

咲「なんだかやたら時間気にしてたね」

ネリー「晩ごはん! サキの晩ごはん食べれると思うと我慢できないよ!」

 今日は一緒に夕食を摂ると約束していた。
 大体、隔日くらいで提案がある。毎日は忍びないと考えているのだろうか。きっちり食費まで入れてくれて義理堅い。

咲「ふふ。下ごしらえしといたから、すぐに用意するね」

ネリー「うん!」

 元気爛漫な返事に気持ちの凝りが少しなくなる。
 独り暮らし。独りの時間がもっと増えていたら。今より鬱々とした時間を過ごす羽目になっていただろう。
 紛らわしてくれるネリーには感謝が絶えない。

 ただ。

ネリー「じゃ帰ろう!」

咲「あ、ごめん。ちょっと寄るところあるから先に帰ってもらってていい?」

ネリー「そうなんだ。でもついてった方がよくない?」

咲「行き慣れてるとこだから大丈夫だよ」

 今だけは突っぱねた。
 今、咲の頭の中はぐしゃぐしゃで、収まりがつかない。
 気分転換しよう。ネリーとの夕食の席で水を差すような真似をしたくなかった。

 ネリーを帰す。名残惜しそうにしていたが、少しの時間だ。我慢してもらおう。

 校門を通り、いつも帰るときとは違う角を曲がって繁華街の方面に抜ける。
 その間も堂々巡りの問いかけは続く。
 自分は先鋒の座を勝ち取れるのか。本当にそうしなければならないのか。
 先日の母との会話が思い出される。


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