過去ログ - 咲「誰よりも強く。それが、私が麻雀をする理由だよ」
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642:名無しNIPPER[saga]
2015/09/23(水) 07:35:24.87 ID:XX6TlV+G0

智葉「…………それは……部員の体調管理の一環だ」

 喘ぐように智葉が弁明する。その言葉に聞いていた皆の顔に疑問の色が浮かぶ。

ネリー「体調管理?」

智葉「そ、そうだ、部員の体調管理は大事だろ?」

明華「ですけど咲さんに偏ってるような……」

智葉「案外咲は体調を崩しやすい、念のためだ」

ハオ「そんなに咲って体調崩してたっけ? 部活ほぼ皆勤ですよ」

智葉「うっ」

 苦しげに呻く智葉。実際、苦しい言い訳だった。見守る咲の瞳も不安げに揺れる。

 疑惑の趨勢を示すかのように数名が咲に寄って立つ。その中から一歩進み出たダヴァンが御仏のごとく慈悲深い微笑を湛え告げる。

ダヴァン「いいんデスよサトハ……この盗さーー秘蔵写真を眺めて、日頃の疲れを癒してると認めテモ」

智葉「ち、違う! ってそうだ、抽選会! 抽選会のことがあっただろ!」

 抽選会。わずかながら臨海の面々の間に理解の色が広がった。

明華「そういえば体調を崩してましたね……」

智葉「う、うん、私もあの時は驚いた」

 呟いて思い返すように明華は彼方を見やる。その脇で申し訳なさそうに目を伏せる咲。

 だが、理解されたのは体調不良の事例だ。虚ろな言葉を繰る智葉からは心中の焦燥が透けて見えた。だからだろう。とんでもない発言が間を置かず智葉の口から飛び出す。

智葉「だが仕方ない、生理だったんだからな」

『は?』

 何人かのつぶやきが重なる。その瞬間、智葉を除く誰もが意識を手離したように固まっていた。

咲「っ!?」

 咲の瞳が限界まで開かれる。他の面々の表情にも、少し遅れて驚愕が浸透していく。

ハオ「ああ……あの時の。……生理だったんだ」

明華「なるほど……それならしょうがないですね」

ダヴァン「ソレであの耳打ちを……」

 急速に広がっていく理解。しかし、それにつれてーー。

ネリー「……ねえサトハ」

 ネリーが口を開く。複雑そうに顔をしかめている。焦りと緊張で一杯一杯の智葉はその様子に息を呑む。

智葉「な、何だ?」

ネリー「理由はわかったけどさ、それ言っちゃってよかったの?」

智葉「ーーーーあ」

 ばっと咲の方を振り向く智葉。 咲の顔は、茹で蛸もかくやとばかりに紅潮していた。



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