過去ログ - 咲「誰よりも強く。それが、私が麻雀をする理由だよ」
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660:訂正したレス間の相違をなくすって意味で大丈夫でしたか?違ったら言ってください ◆JzBFpWM762[saga sage]
2015/09/23(水) 13:30:06.96 ID:XX6TlV+G0
>>641
>>651


 智葉は二リットルのペットボトルを手にしている。先ほど告げた通り切らしたジュースの補充にいってきたのだろう。

 普通なら、ありがとうなり気楽に一声かけてもいい場面。しかし現実には沈黙が重苦しく広間を覆っており、皆一ヶ所に立って集まってやたらと深刻そうな表情を浮かべている。その上、視線の行方はこぞって智葉だ。

 智葉は不思議そうにした。

智葉「どうしたんだ? 何かあったのか」

ダヴァン「い、いえ……何かっていウカ」

 ようやくダヴァンが口を開くが口調は辿々しい。今実際多くに疑惑を持たれているのは智葉だが、その歯切れの悪さはダヴァンこそ弁明に回る下手人のようだ。

ネリー「サ、サトハ!」

智葉「ん?」

ネリー「犯罪はダメだよ!」

智葉「はあ?」

 ネリーの懸命な告白もちんぷんかんぷん。そんな様子の智葉が不自然に集まっている皆のところへ歩み寄っていく。何人かが智葉との間でネリーの手元に視線をさ迷わせていた。智葉がネリーの手元を覗き込む。

智葉「お前らいったい何を見てーーーーあっ」

 ぎょっとして間の抜けた声を出した智葉がペットボトルを落とす。

明華「智葉……これ落としませんでしたか?」

 床に激突する寸前、智葉は急いでペットボトルを受け止めて、明華の質問におそるおそる振り向く。

智葉「……それ」

 自分の衣服をまさぐる。慌てるあまりペットボトルを持った手とごっちゃになり、右に左に動いた容器が撹拌される始末。明確に認めずとも語るに落ちた状態だった。

 だが、そんな智葉に殺到する視線は冷たくはない。衣やハギヨシといった接点の薄い者は流石に警戒の感は拭えないが、咲を始め臨海のメンバーはただただ困惑している、そんな様子だ。

ネリー「サトハっ、これどういうこと?」

 ネリーが智葉の肩をつかみ、激しく前後に揺らす。

智葉「あ……いや、これはだな」

明華「智葉、正直に言ってください」

 目が泳ぐ智葉の手を包むように握った明華が真摯に訴えかける。

ダヴァン「イマなら引き返せマス。犯罪はダメ、ゼッタイ」

智葉「ま、待て、違う! 誤解だ!」

 手に持つペットボトルを落とさんばかりに狼狽えた智葉が顔色を悪くする。

智葉「それは手札というか……説得するのに必要な……」

ネリー「説得?」

智葉「ーーあっ、いやそうじゃなくて、その」

 言い淀み、言葉尻が萎んでいく。この状況で狼狽をあらわにする智葉に周囲の目は自然とひきつけられる。数秒間の沈黙。



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