過去ログ - 咲「誰よりも強く。それが、私が麻雀をする理由だよ」
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821: ◆JzBFpWM762[saga]
2015/11/28(土) 22:21:10.61 ID:7Izo+H9No
淡「私としてはインターハイおわったら転校してもいいって感じなんだよね。テルいなくなるし、そうなったら別に白糸台じゃなくていいし」

 インターハイが終わったら、というのは国民麻雀大会や世界ジュニアなどその後を意識してのことだろうか。

咲「もしかして、お……照さんと戦いたいんですか?」

淡「おおっ、よくわかったね。やっぱそれなんだよ。同じ学校なのもいいけど本気で戦えないっていうのがあるんだよねー」

 わかってくれたか、とうれしそうにして続けざまに言う。

淡「やっぱりこう、大会とかじゃないと本気って出せないものじゃない?」

 確かに、そういうところはある。いくら全力を意識して、たとえば何かを賭けたとしても、練習では賭けられるものなどたかが知れているし、賭けるものが大きすぎればそもそも法律にひっかかりかねない。
 他方、大会に懸けられるものは人によれど人によっては非常に大きなものになる。「練習にはスリルがない」と淡は言った。咲自身はおそらくその楽しもうとする感覚を共有できないが、理解はできた。

淡「ただそれだとやっぱリンカイ? じゃサキと戦えなくなるし。個人戦は問題ないけど」

 だが、なぜ姉ではなく自分なのだろう。

咲「……」

 もやもやとした感覚にさいなまれていると、

淡「サキは、私がきたらどう思う?」

咲「え?」

 尋ねられて心臓が跳ねた。今度はちゃんと聞いていたのだが同じ「え?」を繰り返したからか、淡はぶうっと頬をふくらませて「もう」、と注意し上目遣いにこちらを見上げた。

咲「ご、ごめんなさい」

淡「むー……いいけど、そんなんじゃ私を満足なんておぼつかないんだからね」

 少し不満そうにする淡からは「私、怒ってます」という訴えがダイレクトに伝わってくる。三〇分で満足させる。そう明言したからにはきっちりやってほしい。そんな心情が透けて見えた。

 こんなやりとりをするつもりはなかった。

 というのも、今まではもし機会があれば多少無理を押してでも話を合わせて帰らせ、後日に会ったら自然に謝ろう。そんな打算めいた思案をめぐらせていた。けれど。


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