過去ログ - 咲「誰よりも強く。それが、私が麻雀をする理由だよ」
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◆JzBFpWM762
[saga]
2015/11/28(土) 22:23:14.83 ID:7Izo+H9No
淡「んん、これは困った……」
ついに答えを引き出せないと悟ったのか、不満を主張するようにずっとふくらませ続けていたリスのような頬をやめ、淡は長考するように表情を固くすると、手元のグラスに浮く赤いストローを口に含み「むーっ」、これみよがしに音を立てて啜る。そうしていくらか飲み下してから口を離し、「私の麻雀しらないのかなあ」、ひとりごちるようにぼそりと呟く。しかしその頃には葛藤の念が強まっていた咲の耳にそのわずかな音を拾う注意深さは失われていた。
誠子「残念だったな、振られて」
淡「ふっ振られてないし! これから――わひゃっ!?」
明華「あぶない」
そのときだった。興奮して手元を疎かにした淡が立ち上がろうとしてグラスをこぼし、倒れかけたそれを明華が即座に掴みとる。
淡「わ、わっ、……あれ?」
甲高い破砕音やテーブルの上の洪水を想像したであろう身を守る姿勢で固まっていた淡の身体が動きだし、一足遅れて不思議そうな声をあげる。瞬きする鮮やかな忘れな草色の瞳は目の前で起こった事態を呑み込めず、当惑しているようだった。
咏「うわっ、すげえ」
咏の声が誉めそやす。熱心に淡を心配せずそういう意味では他人事のようであったが、事実、脊髄反射的な速度でグラスを掴みとった明華のおかげで事なきを得たものの、そうでなければ確実に倒していただろう。明華の働きは一瞬ながら舌を巻くものだった。
淡「あ、ありがと……」
明華「いえ、気にしないでください」
反応すらできなかった咲の耳にそんなやりとりが届く。驚いた余韻をまだ残した風でありつつも淡が素直に感謝を述べ、明華も険悪な雰囲気になるのを避けてか気さくに返す。
ただ。
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