過去ログ - 咲「誰よりも強く。それが、私が麻雀をする理由だよ」
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855: ◆JzBFpWM762[saga]
2015/12/10(木) 22:44:52.97 ID:VT4MeD/xo
けれど、話題の向きはそこまで深刻ではない。少なくともほとんどの話は当たり障りない話でごまかせると思ったし、事実、ここ一週間とちょっと話したくらいでは、頻繁に接する機会があったネリーでさえ話す内容に困ることはなかった。大体、そこまで深く踏み込んでくる人などそういない。実際そうされたことはなかったし、フレンドリーなネリーとてそれは同じだった。いやがるような話になると話を流してくれる。

考えを固めた咲が口を開く。

「……そうだね。臨海がよかったから」

臨海の方が、勝ち残れる確率がより高いと思ったから。

「ふふん、このわたし様もいるんだから当然だねー」

冗談めかしたネリーの言葉にくすくすとした笑いが咲からこぼれる。確かに、臨海を選んでよかったのかもしれない、と思っていた。

――先鋒の座も打ち方の自由も、新道寺でなら保証されていたけど……この学校で、やっていきたいという思いも芽生えたから。

『――――あなたも、本がお好きですか?』

『――本を楽しむのは一人でもできます。誰を傷つけることもありません。誰を怒らせなくてもよくて、誰を悲しませなくてもいい。本を読むことは、私が心から好きだといえる、たったひとつのことです』

『――――――本を読むのは一人でもできます。でも……二人だからこそ見つけられる愉しみも、私はあると思うんです』

先日交わしたやりとりを反すうしながら咲が微笑みを浮かべていると、どうしてかじっとりとした目線がネリーから送られてきていた。


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