過去ログ - 咲「誰よりも強く。それが、私が麻雀をする理由だよ」
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906: ◆JzBFpWM762[saga]
2015/12/23(水) 19:39:57.47 ID:Leypu+/yo
咲はその場で考え込む。

「うーん……」

でも、どうにかして力になりたい。まず、探偵稼業的な失せもの探しであれば必然的に力を発揮できる場も限られていて、そして自分はといえば身体能力はへなちょこだし、姉のように頭脳が明晰というわけでもないし……。

――ただでさえ、手紙の手伝い、とくに作法の事なんかじゃちゃんと力になれなかったし。

「どうしたのミヤガワ?」

「え?」

地理に明るくもなければ物探しのノウハウもないし、とも思ったところで、ネリーから声をかけられて顔を上げる。

我に返って周りをみてみると、男の人たちの視線も集中している。

「……すっごい悩んでたみたいだけど、何かあった?」

なんだか恥ずかしくなった。顔が赤くなっているかもしれない。

「あはは……ええと何か手伝えそうなことあるかなって」

ごまかすように笑って、その場をとり繕う。

きちんと成功していたかは定かではないが、

「……ミヤガワには、ついてきてもらっただけだから。できないことはしなくていいし、しようとしなくていいよ」

ネリーはよそを向いて思案げに、申し出には興味なさそうに言った。

いつもより素っ気ないような。少し寂しい。ただ、余計な事をして台なしにしたらいけないのはわかる。自分が頼まれたのはついてくることだけなのだ。

咲も気に病むような素振りは見せずに、

「そうだね。大人しくしてる」

頭の中からひっぱりだしてきたクールな受け答えで会話をしめて、そっとその場に溶け込んでみる。気分としては熱心な黒子。

――でもやっぱり、何かしてあげられないかなぁ……。

未練がましい本音は怜悧を意識した貌の下に押し込んで、やりとりの行方を見守る。基本的にネリーのことを注視する。

視界にあまり映らない金髪の青年や他の人たち、彼らの注目がこちらを向いていたような気もしたが、金髪の青年は話題を切り出す意思を示すように軽く咳払いすると、


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