過去ログ - 咲「誰よりも強く。それが、私が麻雀をする理由だよ」
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◆JzBFpWM762
[saga]
2016/01/12(火) 23:36:04.01 ID:wCVwz0P2o
「あっ、ゲームセンター」
ビルの一角を占める活気づいた区画に入るなり、ネリーが口を開いた。
ゲームセンター。そこそこ人気のある、所狭しとゲームの筐体や何やが立ち並ぶ都内の繁華街によく見られるそれと似たような印象を受ける場所だった。
「ゲームセンター……」
「遊んでく?」
「ん……」と考え込んだ咲は、まずネリーの顔を見て、それから後ろを付かず離れずという具合についてきている青年たち二人を一瞥する。
「私は……そんなに興味ないかな」
でも全くというわけじゃないから、ネリーが用があるのなら付き合うのは全然構わない、という風なことを咲は伝える。
「へー、めずらしいね? こういうとこって同年代の……日本の子なんかはみんな好きそうなイメージだったけど」
「うーん、活発な人ほど好きそうな感じだよね。私は……」
「あっ、サキって案外ぱっとしない子だし興味ない感じ?」
「そ、その言い方はぐさって来るけど……うん、大体そんなところかな?」
別に、野暮ったかったり根暗そうだったりしたらゲームセンターが好きじゃないって事はないと思うけど……そんなに心惹かれるものじゃないかな。
人込みや騒がしさが苦手な咲とてまるで興味がなくもないが、「ゲームしていきたい!」という熱は込みあげなかった。
「ふむふむ」
「どうしたの?」
やや大仰な仕草であごに手を当て納得した風にするネリー。咲が首をかしげる。
「サキってほんと見た目通りなんだなって。意外性ゼロだね」
「……ほっといて」
少なくとも褒められている気はしない。少し機嫌を損ねて咲はそっぽを向く。
「あはは、露骨にウケ狙ったキャラ作るよりは好感持てるよ?」
そもそも、キャラを作っているわけじゃない。いや、でも作っていると言われても仕方ないような事はしてるか……と、咲は内心憂鬱になる。
若干表情を陰らせた咲を見て、「あっ、ごめんからかいすぎた?」とネリーが謝る。咲は、はっとして手を振った。
「う、ううん、さっきのやりとりは関係なくて……気にしてないよ」
「そう? でも何だかいつもとちょっと様子違うような……」
あらためて、はたと気づく。装おうとするいつもの心がけがおろそかになっていたかもしれない。俄に心持ちが緊張味を帯びて表情が引き締まる。そうなれば、装うのは難しいことじゃなかった。
「そうかな。変わらないと思うけど」
「……気のせいかな。失礼な事してたら言ってね。大体はわかるけどたまに気づかない事あるから」
それは、日本の感覚に馴染み切れていないという事だろうか。さもあらん。咲がネリーの立場ならネリーほどにも馴染めない気がする。言語からしてこんなに流暢に外国語を話せない。
ただ、咲が懸念を否定する以上、ネリーのその言葉も深刻というほどではなかった。咲はその言葉に肯く。気づいたら教えるようにしよう。
「うーん、ここの人に聞いてみようかな」
すると、意図の捉えづらい言葉がネリーの口から出てくる。
どういう事か、と咲が尋ねる前にネリーは手に提げていた小ぶりの鞄の口に手を突っ込み、ごそごそと漁り始める。
まもなくして鞄から出てきたのは、
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