17:名無しNIPPER[saga]
2015/03/17(火) 14:08:39.31 ID:pbZE6X4vO
部屋の明かりをつける。ティッシュで涙を拭き、鼻水をかんだ。
まだ友だちはいない。知り合いもいない。状況は何も変わっていない。
それでも、やっていけると思った。東京でがんばっていけると信じられた。
『すごいじゃん。十六年たっても、まだ東京で頑張ってるなんて。でも、まだまだこっからだよ』
十六歳の女の子が、三十一歳のおばさんを励ましてくれた。
ありがとう。
素直に思う。もうちょっと頑張るから見ててよ、とも。きみの描いた夢とは、ちょっと違うけれど。
桜の木をみる。まだ花の咲いていない裸のそれは、無骨で、なんだか寒そうだった。
絵はがきに映されていたものとは比べるべくもないような小さな木だったが、幹から枝を天に突き上げ、がんばれ、がんばれ、がんばれと、私を応援してくれているように感じられた。
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