103:名無しNIPPER[sage]
2015/03/18(水) 22:13:10.13 ID:i3X5s8vho
きたか!
104:投下します ◆8XBv688BM7pK
2015/03/18(水) 22:14:50.62 ID:LVslMNkxO
【クロース】
夜も更けた時間。
105:投下します ◆8XBv688BM7pK
2015/03/18(水) 22:21:24.60 ID:LVslMNkxO
少女、クロースは魔法少女である。それもただの魔法少女ではない。そこそこの経験を積んだ魔法少女だ。
魔法少女とは、ソーシャルゲーム「魔法少女育成計画」のプレイヤーの中から選ばれ「魔法の国」から魔法の力を授かった少女のことだ。
106: ◆8XBv688BM7pK
2015/03/18(水) 22:22:45.85 ID:LVslMNkxO
到底信じられない眉唾物の、笑い話にもならないホラ話だ。
心はその噂を魔法少女育成計画のチャットで聞いた。
107: ◆8XBv688BM7pK
2015/03/18(水) 22:24:16.29 ID:LVslMNkxO
「え?」
思わず困惑の声を漏らす。そしてさらに驚いた。声質までちがう。とても耳に優しい声だった。
108: ◆8XBv688BM7pK
2015/03/18(水) 22:25:44.42 ID:LVslMNkxO
驚き、振り替える。そこには何者の姿も確認できなかった。しかし、声の主に心当たりはあった。ベッドの上に投げ出したままのスマートフォンを取り上げる。
「何かお困りなの?」
109: ◆8XBv688BM7pK
2015/03/18(水) 22:26:28.77 ID:LVslMNkxO
元の姿を取り戻した所で心はひとまず落ち着いた。そして1つ深呼吸をすると、ふたたびリリに向き直る。
「……何のつもり?」
110: ◆8XBv688BM7pK
2015/03/18(水) 22:27:35.10 ID:LVslMNkxO
口に出してそう言ってやると、リリは目に見えて狼狽した。
「えー!なんで?!魔法少女だよ?マジカルでキューティーでプリティーなんだよ?!」
111: ◆8XBv688BM7pK
2015/03/18(水) 22:29:43.45 ID:LVslMNkxO
「……まぁ」
スマートフォンを起き、再び変身してみる。変身の仕方はわからなかった。取り敢えず心の中で「クロースになれ」と念じてみた。成功したので鏡の前に立つ。
112: ◆8XBv688BM7pK
2015/03/18(水) 22:33:07.45 ID:LVslMNkxO
その日からクロースの受難の日々が始まった。
最初の内は面白かった。細い腕なのにコンクリートの壁も砕ける腕力、しなやかで長いのに車より早く走れる足。三十秒間だけ無敵になれる魔法。
113: ◆8XBv688BM7pK
2015/03/18(水) 22:35:52.05 ID:LVslMNkxO
最早諦めるしかないのか、と、だらだら嫌なボランティア活動を続けるなか、しかし、ある時妙案が思い浮かんだ。
メルヘンは諦める、魔法少女をやめるのも諦める。だからせめて見返りを貰おう。というモノだった。
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