119: ◆8XBv688BM7pK
2015/03/18(水) 22:46:24.94 ID:LVslMNkxO
夜の学校というものは不気味なモノだ。それが人のよりつかなくなった廃校であるならば、その不気味さはいっそう増す。
クロースはグラウンドに立ち、集合場所の廃校を見上げながらそう思った。
クロースの住む町の隣の隣の更に隣にある小さな海沿いの田舎の学校だった。三階建ての校舎がクロースを静かに見下ろしている。
顔を見上げると、誰もいない筈の校舎の一部屋に灯りが灯っているのが見えた。一般人が見たらきっと驚いて逃げるか通報することだろう。
しかしそれはあり得ないと思う。この学校の敷地内に入る前まで、あんな灯りは見えなかった。試しに外に出てみると、また灯りは消えた。入るとまた見えるようになる。恐らく魔法でカモフラージュしてあるのだろう。
風が吹いている。風にのって磯の臭いがした。海が近いのだろう。
磯の臭いに眉を寄せ、クロースは校舎に入っていった。
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