過去ログ - 映画『艦これ』 −平和を守るために
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48:名無しNIPPER[saga]
2015/03/20(金) 17:06:08.74 ID:xvtfjy090
提督「……どういうことですか?」
元帥「君の気持ちはよく分かる、一番近くで、あの娘たちを見てきたんだからな……」
提督「だから! どういう意味なんですか!」
49:名無しNIPPER[saga]
2015/03/20(金) 17:07:34.10 ID:xvtfjy090
元帥「…君は『クローン』と聞いたとき、何を思い浮かべるか?」
提督「…人工的に作られた、生き物と」
元帥「それは君が、艦娘に接してきた、クローンに接してきたから言えることだ。世間の民間人は違う。クローンである艦娘を、人造人間やターミネーターのように見ている」
50:名無しNIPPER[saga]
2015/03/20(金) 17:08:27.80 ID:xvtfjy090
元帥「軍部はこれまで、艦娘たちの将来を考え、艦娘の顔は公開してこなかった」
元帥「しかし、戦争が終結し、艦娘を産みの親に返すと軍部が発表してからは、それの反対運動があらゆるところで起きている」
元帥「そこで軍部は、……」
51:名無しNIPPER[saga]
2015/03/20(金) 17:09:05.71 ID:xvtfjy090
提督「……」
元帥「……来週の今日、艦娘たちの殺処分が予定されている。君から、艦娘に伝えて欲しい」
元帥「ただ、もしそれで艦娘たちが暴動を起こした場合、軍部は、海外にも応援を要請して、艦娘を相手に戦争を起こす」
52:名無しNIPPER[saga]
2015/03/20(金) 17:09:40.59 ID:xvtfjy090
時雨「提督から、緊急召集だって」
夕立「なんだか、不自然っぽい」
綾波「何か、あったのかしら……」
53:名無しNIPPER[saga]
2015/03/20(金) 17:10:25.59 ID:xvtfjy090
提督「集まってくれて、ありがとう。非常に大事な話だ。不在の者はいないか?」
ザワザワ、アッ、アノコハ? ソコニイルヨ
提督「…いないようだな。非常に、諸君にとって、ショッキングな話となるかも知れないが、最後まで、落ち着いて、聞いて欲しい」
54:名無しNIPPER[saga]
2015/03/20(金) 17:11:36.58 ID:xvtfjy090
提督は、自分の感情を消すことで、艦娘たちに、残酷すぎる現実を伝えようとした。
提督「さらに、君たちは一週間後、殺処分をされることとなった。この経緯を、全て話す」
天龍「っ! はあ!? ふ、ふざけんなよ! なんで、国のために戦った俺たちが、……殺されなきゃなんねぇんだ!」
55:名無しNIPPER[saga]
2015/03/20(金) 17:12:27.24 ID:xvtfjy090
提督はその後、元帥に伝えられたことを全て話した。艦娘を世に出すことへの反対運動のこと、艦娘への激しい偏見のこと、そして最後に、艦娘が暴動を起こせば、世界が鎮圧しようとすること。もちろん、そうなれば、提督の命も助からないだろう。
提督「……つまり、君たちはターミネーターのような、殺人生物としてのレッテルを世間に貼られてしまい、それらを世間に出すことに対しての非難が……うぐっ……うっ……」
提督は、耐えることができなかった。
56:名無しNIPPER[saga]
2015/03/20(金) 17:13:32.70 ID:xvtfjy090
怒りで赤くなっていた天龍も、その提督の姿を見て、静かに泣き出した。
天龍だけではない、他の艦娘たちも、静かに泣き始める。深海棲艦との戦争が始まって2年。当時は小さかった駆逐艦の子も、大きく、頼もしく成長した。
本当に、色々なことがあった、2年間だった。
57:名無しNIPPER[saga]
2015/03/20(金) 17:14:03.85 ID:xvtfjy090
しばらく、たたずんでいた艦娘も、パラパラと部屋に戻り始める。
泣き出す駆逐艦の子をあやめる重巡洋艦や戦艦の子。
提督はずっとうつむき、静かに泣いていた。
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