過去ログ - 【咲-Saki-】やえ「牌に愛された子か……」
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18: ◆jBL8Qe1.Ns[saga]
2015/03/20(金) 22:08:32.48 ID:KIxu7xwT0

【五月】


憧「ねー、やえー」


放課後。
部室に向かう途中、廊下で憧が声をかけて来た。
言って直るとは思えないし、事実直らないのだが、先輩として言うべきことは言っておくことにする。


やえ「せめて『先輩』をつけろと何度言えば分かるんだお前は」

憧「べつにいいじゃん。それよりこの牌譜なんだけど…」


言っても直らない事をお互いに理解した上での、形だけの注意。
それを「べつにいいじゃん」の一言で一蹴し、さっさと本題に入ろうとしてくる。
ここまで来ると、もはや清々しい。

こちらとしても形だけの注意なので、問答を続けることはしない。
特に抵抗もせずに、差し出された牌譜に目を通す。
これもこいつの傍若無人を助長している気がするが、かといって不毛な時間を費やす気もない。

牌譜はどうやらネットで打った対局の記録らしい、日付は昨日。
ミスらしいミスはないが、結果は憧が三位で終わっている。


やえ「ミスというほどのミスはないな。半荘一回で相手の癖を見抜くのは新子にはまだ無理だろう」

紀子「…そうやって甘やかすからつけあがる」


いつから居たのか、紀子が不満げな視線を私に向けていた。
甘やかすなと言っても、注意しても時間の無駄にしかならないのだから仕方ないだろう。


憧「あ、紀子。ちょうどいいや、紀子にも見てほしいんだけど、これどう思う?」

紀子「…」


そして、こいつに私を責める権利はないと思う。
呼び捨てを咎める事すらせずに、差し出された牌譜とにらめっこを始めた奴に「甘やかすな」とは言われたくない。


紀子「デジタル的にはミスはない。けど、東場までの時点で、相手の……特に対面の打ち方に自風を鳴く、少なくとも鳴こうとする傾向が見られる。南一局のこの場面ではポンを警戒して対面の風は後で切るべきだった」

やえ「それを、今のこいつにもう求めるのか?」

紀子「…憧なら出来る」


断言するが、こいつが我々のなかで一番憧に甘い。
その甘さは、孫を溺愛する祖父母のそれに近い。



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