過去ログ - 天津風「遠回しな我儘」 -SS速報VIP

過去ログ - 天津風「遠回しな我儘」

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1: ◆VgLY1HQ3xE[saga]
2015/03/22(日) 01:05:29.05 ID:HMeYb8gdo
＜指令室＞

提督「ふう、溜まった書類の処理も一区切りついたな」

天津風「ご苦労様、あなた」

提督「天津風、付き合ってくれてありがとな。お前がいなかったらこの山のような書類は今頃どうなっていたか…」

天津風「もう、指揮能力は高いのに、こういう仕事はサボって溜めちゃうんだから」

提督「返す言葉もないな」

天津風「反省の言葉を返してほしいんだけどね」

提督「…うん、そろそろ休憩しようじゃないか」

天津風「はあ、全くもう…。まあいいわ、休憩にしましょう」

提督「よしきた、たまには俺が茶を入れよう」

天津風「あら？あなたに私の淹れるお茶より美味しいお茶を淹れられるのかしら？」

提督「…うん、茶を頼むよ天津風」

天津風「ふふ、じゃあ少しだけ待っててね」

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2: ◆VgLY1HQ3xE[sage saga]
2015/03/22(日) 01:11:18.12 ID:HMeYb8gdo
。。。。。。。。。。。。。

天津風（茶葉の量は、普通より少し多め）

天津風（お湯の温度は、沸騰したお湯に氷を一個溶かした温度）

3: ◆VgLY1HQ3xE[saga]
2015/03/22(日) 01:13:45.38 ID:HMeYb8gdo
天津風（仏頂面なあの人が、このお茶を飲んで少しだけ見せる、綻んだ顔）

天津風（そんな顔を見ることが出来るのは、きっと私だけで）

天津風（その顔は、私が大好きな、あの人の表情）

4: ◆VgLY1HQ3xE[saga]
2015/03/22(日) 01:15:10.88 ID:HMeYb8gdo
提督「ん、お帰り」

天津風「お帰りなさいっていうか、あなた達もうちょっと静かに入りなさいよ」

時津風「うるさいのはこの二人だけだよー」

5: ◆VgLY1HQ3xE[saga]
2015/03/22(日) 01:16:32.65 ID:HMeYb8gdo
島風「天津風には聞いてないよ～だ」

時津風「よ～だ」

雪風「よ～だぁ！」

6: ◆VgLY1HQ3xE[saga]
2015/03/22(日) 01:21:49.25 ID:HMeYb8gdo
提督「まあいいじゃないか、こいつらも頑張ったんだし、ご褒美くらいあげないとな」

天津風「でも…」

雪風「しれぇ！雪風はあんみつが食べたいです！」

7: ◆VgLY1HQ3xE[saga]
2015/03/22(日) 01:22:48.38 ID:HMeYb8gdo
天津風「…」

天津風（ああもう！何よあの子達ほんっとうに我儘なんだから！）

天津風（あの人は仕事で疲れているっていうのに、休憩中にまで我儘いうことないじゃない！）

8: ◆VgLY1HQ3xE[saga]
2015/03/22(日) 01:25:41.20 ID:HMeYb8gdo
天津風（私は、あの子達が羨ましい）

天津風（あの人に、あんなに率直に、素直に、我儘を言えるあの子達が）

天津風（そして、あの人はそんなあの子達の我儘をすんなりと受け入れる）

9: ◆VgLY1HQ3xE[saga]
2015/03/22(日) 01:26:50.97 ID:HMeYb8gdo
天津風（仕事をしっかりこなせるようになって、秘書艦としてあの人の傍に長くいられるよう努力した）

天津風（あの人の好みのお茶も淹れられるよう試行錯誤した）

天津風（全ては私の我儘の為、率直に伝えることの出来ない私が出来る唯一の方法）

10: ◆VgLY1HQ3xE[saga]
2015/03/22(日) 01:29:05.65 ID:HMeYb8gdo
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

～数時間後～

天津風「…」zzz

11: ◆VgLY1HQ3xE[saga]
2015/03/22(日) 01:31:04.61 ID:HMeYb8gdo
提督「ああ、それならもう終わらせたよ」

天津風「え！？」

提督「天津風、疲れてたんだろ？だから起こすのも悪いと思ってな」

12: ◆VgLY1HQ3xE[saga]
2015/03/22(日) 01:32:43.72 ID:HMeYb8gdo
天津風「…ごめんなさい、秘書艦失格ね…」

提督「だから、気にするなって」

天津風「ごめん、なさい…」

13: ◆VgLY1HQ3xE[saga]
2015/03/22(日) 01:34:49.06 ID:HMeYb8gdo
天津風「…ありがとう」

天津風「…」ﾁｮﾋﾟ

天津風「っ！？」

14: ◆VgLY1HQ3xE[saga]
2015/03/22(日) 01:37:56.34 ID:HMeYb8gdo
天津風「え、これあなたが…」

提督「ああ、茶飲みたくて、試しに自分で淹れてみたんだが…」

提督「どうにも上手くいかなくてな、不味い茶しか淹れられなかったんだ」

15: ◆VgLY1HQ3xE[saga]
2015/03/22(日) 01:40:42.26 ID:HMeYb8gdo
提督「やっぱり、俺にはお前が淹れた茶と、お前が、必要みたいなんだ」

天津風「え…」

提督「なあ天津風、これは、俺の我儘だ」

16: ◆VgLY1HQ3xE[saga]
2015/03/22(日) 01:41:54.91 ID:HMeYb8gdo

提督「これからも、俺の傍で、俺の為に、茶を淹れてくれないか？」

17:名無しNIPPER[sage]
2015/03/22(日) 01:43:11.01 ID:LTlgASWFo
エンダアアアアアアアアアアアアアアアアアアア

18: ◆VgLY1HQ3xE[saga]
2015/03/22(日) 01:43:35.15 ID:HMeYb8gdo
天津風「…！」

受け入れてくれた

私の遠回しな我儘を

19: ◆VgLY1HQ3xE[saga]
2015/03/22(日) 01:45:46.81 ID:HMeYb8gdo
天津風（ああ…どうしよう）

初めて、受け入れてもらえたから

天津風（嬉しい…）

20: ◆VgLY1HQ3xE[saga]
2015/03/22(日) 01:46:25.45 ID:HMeYb8gdo
提督「天津風？」

天津風「ええ…ええ！私も、私も…！」

天津風「あなたの傍で、あなたの好きなお茶を、淹れてあげたい…」

21: ◆VgLY1HQ3xE[saga]
2015/03/22(日) 01:49:18.22 ID:HMeYb8gdo

私の遠回しな我儘に、彼は遠回しに受け入れてくれる

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