過去ログ - 京子「ねえ結衣ー。遺伝子を残せないのってちょっと悲しくない?」
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133: ◆IE4zSaOpSA[saga]
2015/03/27(金) 23:18:06.39 ID:lyJOEngf0

〜16:00・駐車場〜


西垣「」カツン カツン…

西垣(『絶対見つけて来る』なんて言わせてはならない。『いつか絶対生まれさせる』と言わせるべきだ)

西垣(成功確率がどれほどのものかなんてあの二人次第だが、今年はダメ元でやるんだということをもっと言い聞かせるべきだったんだ。心当たりの何処にもいなかったらどうなる?この町がどれほど広いと思ってるんだ)

西垣(間に合いそうにない場合、歳納はどうするか…。アームが生え始める0時0分までに上界に戻らなくては、面倒になるのは私達の方だ。ボディ変換に間に合わず、一月後には寿命を迎えることになってしまう。それぐらいのことはあいつも理解しているはずだ)

西垣(念のため22時30分とは言っておいたが…あいつにとっての延長戦がどこまで続くかだ。だが私はそれを許さない。私の声が耳に入らずともだ。お前の強さを信じていればこその手段で、私はそれを許さない)

西垣(…強さを、信じることにしてしまった……絶望した時にあいつが何を選択するかなんて私には分からない。繊細で、こういう場合のあいつは独り善がりでもある。やはり無理やりにでも吉川を共に行かせるべきだったか)

西垣(教え方が間違っているんだ。教えるべきは良い面だけじゃない。時には身を滅ぼす愛も、一緒に死んでやりたくなるほどの強い愛もあるんだ。生者にとって、『死んでる時だって愛してる』が選択肢になってはならない。それさえも想定して教えておかなくてはならなかったんだ)

西垣(そもそも生徒にこんなことをさせること自体が間違っている。14歳の少女に愛する者の亡骸を見せるという時点でなぜその間違いに気付かない。探知機の開発が遅れたことにでもして、最初から来年に回すべきだったんだ)

西垣(何が「先生」。私は…)

西垣「後ろに乗ってくれ」

ちなつ「え、でもいろいろゴチャゴチャしてますけど」

西垣「一人ぐらい座れる。悪いな。助手席はカカロットの特等席なんだ」

ちなつ「……」

西垣(……)

ちなつ「…ふふっ」

西垣(…口が滑ったか…)

車「」バタン!

ちなつ「あの、先生」

西垣(……)

西垣「なんだ」

ちなつ「生意気な態度取って、ごめんなさい…」

西垣「ん?何そんなことでショボンとしてるんだ。私はそんなこと気にするほど弱くはないぞ?」

ちなつ「だって、先生は私達のためにこんなにがんばってくれてるのに。私は感謝してるんです。毎日毎日休まずにがんばって……お人好しすぎます。先生には、何の見返りもないのに」

西垣「馬鹿にしすぎだ。お人好しは認めるが、見返りがないだと?私だって早く船見に会いたくてたまらないんだぞ」

ちなつ「……」

ちなつ「先生、ちょっとかっこ良いです」

西垣「そうか。よく言われる」

ちなつ「そうですか。…それと…」

西垣「……」

西垣「……?なんだ言ってみろ」

ちなつ「…私、結衣先輩のことをすごく愛してるんです。それから、恋してるんです。……先輩が消えたくたって、生きたくなくたって、私は絶対、ちゃんと生きてほしいんです。…私、がんばりますから」

西垣「…ああ。その意気だよな」

ちなつ「?」

西垣「お前は『愛を見せつけてやれ』と私が教えるより先に、はっきりとした言葉で歳納に愛を見せつけたんだ。まさに最速。お前の想いは誰にも追い越せない。宇宙最速の座をキープして走り続けてみせろ。そして船見にも見せつけてやれ。その想いはきっと届くから」

ちなつ「…はい」

西垣「よし、行くぞ」

車「」ブイーン…


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