過去ログ - 【ダンガンロンパ】ダンロンでほのぼのと百合百合したい
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◆AZbDPlV/MM
[sage saga]
2015/04/03(金) 14:45:38.54 ID:rDrtENsh0
空木 「えっと…じゃ、じゃあ、私がお姉さんの頭を撫でてみてもいいですか?」
あたふたと慌てて私に気遣ってなのか、空木さんは言う。
私が空木さんを励まさなければならないのに、これでは立場が逆転してしまっているじゃない!!
霧切 「ええ、いいわ…」
空木 「落ち込み過ぎですよ、お姉さん…調子狂っちゃうじゃないですか」
本当にそうね。情けない。
隠しきれないほど落ち込む私に、空木さんは呆れながら立ち上がって、私の前に立つ。
空木 「いいですか?」
空木さんの言葉に頷いて待ち構える。触れられるということが解っているのに、ドキドキしてしまう。空木さんの顔をみると、彼女も緊張しているようだった。自分のように拒絶されてしまわないかの心配からか、そうでないのかは解らないけれど。
空木さんの様子を観察していると、ほどなくして頭部に何かが触れる。もちろん、空木さんの掌だ。小さい手が私の頭を撫でている。
空木 「……大丈夫…ですか?」
不安気な表情を浮かべながら、私の表情を伺う。私はそれに答えるように笑いかける。
霧切 「少し緊張するわ……でも」
緊張する、という言葉に空木さんは戸惑うように視線をうろつかせながら、身を引こうとする。
あなたは優しいわ。また泣いてしまうかも知れないから、口に出しては言えないけれど。
霧切 「同時に安心もする。あなたの温もりと、人となりも伝わるもの。いい娘ね、空木さん」
空木 「っ!!」
空木さんの手が強張るようにビクッと震え、茹で上がった蛸のように顔が真っ赤に、なっていた。照れているのかしら?
霧切 「可愛いわね、空木さん」
空木 「う、うるさいですよ! お姉さん!!」
しどろもどろになりながら怒る空木さんは、本当に可愛らしい。愛おしくなる。空木さんは恥ずかしい気持ちのやり場を探すように唸って、最終的にため息としてそれを追い出した。
空木 「でも…私が頭を触っても平気だっていうのが、嬉しいです」
さきほどの緊張は、やっぱり拒絶されてしまわないかの心配だったのね。
空木 「私が頭を触って安心するって言われて、嬉しい」
空木さんは私の頭を撫でながら続ける。
空木 「私が頭を触ることで、嬉しいって言ってくれるのが嬉しいんだっていうのが解ったのに、それなのに私は他人から頭を触れられることを拒絶してしまうのは……苦しい」
空木 「ごめんなさい……私、頑張るから……お姉さんに頭撫でてもらいたい……」
空木 「だから……」
霧切 「ええ」
今、空木さんの頭を撫でてしまいたい衝動を抑えて、代わりに彼女の言いたいことに笑って答える。
霧切 「大切なひと達に触れてもらえないなんて悲しいものね」
空木さんは黙って頷く。
霧切 「荒療治で無理をしてはいけないわ。ゆっくり、焦らずいきましょう」
空木 「……今度は私から…お願いします」
昨日と違い、空木さんから手を差し出してきた。その様子に、私は安堵し、高揚してくる。
霧切 「負けず嫌いで向上心もあって、何より人を思いやれる子ですもの」
霧切 「あなたは大丈夫」
私の言葉に、空木さんは気恥ずかしそうに頬を染めて笑った。
空木 「私の未来、しばらくお姉さんに託します」
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