過去ログ - 艦これSS雑談スレ☆43 -SS速報VIP

過去ログ - 艦これSS雑談スレ☆43

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831:名無しNIPPER
2015/03/29(日) 06:47:57.49 ID:IDhCLX6AO
巻雲「どこか具合でも悪いのですかっ？医務室からお薬を取ってきましょうかっ？」

赤城「……えぇっと……」

　余った袖をふりふりと振りながら心配する巻雲に、赤城はどうしたものかと目線を泳がせる。
　見かねて動いたのは、曙であった。
　巻雲の背後に立ち、軽くチョップをかます。
　驚いた巻雲が振り向いてから、溜め息をついて口を開いた。

曙「要らない心配してんじゃないの、新人」

曙「うちの赤城は割と食が細い方なんだから、これで正常なの」

巻雲「ふぇっ！そうなのですか？」

赤城「ごめんなさいね巻雲ちゃん、私は大丈夫だから……」

曙「つうか、大食いかどうかって艦娘によって違うもんなの」

曙「馬鹿食いする駆逐艦もいれば、霧でも吸ってんじゃないかってくらい食べない戦艦もいるわけ」

曙「だ・か・ら！！」

巻雲「はぅあっ！？」

曙「他人のこととやかく言う前にさっさと飯食って準備する！今日はみっちりしごいてやるから！！」

巻雲「ひえ～！ひえ～～！」

曙「戦艦みたいな泣き声出すな！」

　赤城を後目に、巻雲を担いで離れていく曙。
　軽く目線を合わせたのは、赤城の気のせいではない。
　悲鳴を上げながらも朝食は手放さない巻雲に笑みを洩らしながら、赤城は「ごめんなさい」と軽く曙の背に頭を下げた。

ｽﾚｯｶﾞｰ「あの子に悪気はない。それにもう気にしちゃいないだろう、君ならさ」

赤城「はい、大丈夫です」

ｽﾚｯｶﾞｰ「そうか、なら良いよ」

　向かいの提督が箸を置く。
　赤城の倍はあった量をすぐに平らげ、早々に席を立っていってしまった。
　自分の膳をもう一度見る。
　まだ、半分以上残っていた。

『君は赤城だ。でも【紅妃】の赤城じゃない、俺の部下の赤城だ』

『何でも真似すりゃ良いってもんじゃない。飯をたらふく食っても、強くなれる訳じゃあない』

『おっかなびっくりでもいいんだ、マイペースで行こう』

赤城「……はい……大丈夫です、提督」

　不意に思い出された、彼の言葉。手の温もり。
　惚れた弱みだとは分かっているが、つい箸の速度が上がっていく。

赤城「ご馳走様です」

　そそくさと膳を片付け、彼の後を追う。
　一日はまだ始まったばかりだ。

巻雲「ふぇぇ、食べにくいですぅ……！」

曙「袖から手ぇ出せ！袖！！」

磯波「曙ちゃんそれはいけない」

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