25: ◆2YxvakPABs[saga sage]
2015/03/26(木) 01:08:43.52 ID:avES/eip0
「きゃぁぁ!!」
敵を倒して一段落する2人の間に、悲鳴と共に菜々が吹き飛ばされてきた。
アスファルトの地面に食い込む彼女はボロボロだ。幸子ほどではないが。
「ふん、レーポタもコーメンテタもやられたか……」
すっと地面に降り立つアナウンーサ。その体は、筋肉でさっきの倍に膨らんでいた。
ゴキッ、ゴキッと首を鳴らす。その事に怯えた幸子は杏にすがり付いた。
「あ、杏さん! あんなやつボクでも倒せますが、ここは杏さんに譲ってあげます! さっきみたいにチャチャーっと倒しちゃってください!」
すがられた杏は、考えるように目を閉じ、うーんと唸る。
そして、数秒間考えた末の答えを告げた。
「ごめん、筋肉バカに通用する小細工がないや。だから無理」
「えぇぇぇぇぇえええええー!!!!」
幸子は叫んだ。杏と、一歩ずつ歩いてくる敵を交互に見る。
すると、地面に埋まっていた菜々が満身創痍で立ち上がってきた。片腕を押さえている事から、決してダメージは少なくない。
「菜々、まだいけ……ます!」
「哀れだな」
「哀れ……?」
「見るに耐えないと言っている!」
声を張り上げながら、アナウンーサは菜々に向かってダッシュした。そのまま菜々を蹴り上げる。
自分でジャンプするよりも遥かに高い所に打ち上げられた菜々は、空中でくるりと1回転してなんとか体勢を整えた。
「お前はなぜアイドルをやっている!」
上から降ってきたアナウンーサの攻撃を受けて、菜々は再び地面へと急降下する。だが、今度はしっかりと着地出来たようだ。
「アイドルなど、所詮使い捨ての消耗品。飽きたら捨てられ忘れられる。前の世界のアイドールもそうだった」
それは、プロデューサーの世界のことだ。その話は、プリキュアに誘われるときに聞いている。
「アイドルは自己犠牲によって成り立つ。自分の大切な時間を削りファンのために費やし、民衆のために動く。プリキュアも自己犠牲の1つだ。この世界の人間のために闘って何になる。お前のなんのメリットがある」
「杏は飴がもらえる……」
「しーっ! 今は黙っておきましょうよ!」
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