7: ◆2YxvakPABs[sage saga]
2015/03/26(木) 00:51:25.21 ID:avES/eip0
――*――*――*――
「なるほど、要はこのカワイイボクがプリキュアになって、マースコミディアとかいう悪党を可愛く可憐に倒せばいいわけですねっ!」
「概ね、その通りです」
「っていうか、飲み込み早くないですか」
プロデューサーの説明を一通り受けた幸子は、あっさりと信じた。その上協力的だ。
菜々は、プロデューサーが目の前で妖精(?)に変わったのを見てもまだ信じられなかったというのに。
「というか、プリキュアって何か分かるんですか?」
菜々の素朴な疑問に幸子はケロッとした表情で答える。
「……え? 今アニメでやってるじゃないですか。結構流行ってますよ? ほら、悪と闘う女の子ですよ」
「あぁ、分かりました。セーラームーン的なやつですね。昔はよく観てました」
「セーラー……え、なんですかそれ? そんな番組やってましたか……?」
「え……? あ゛っ……さ、ささ再放送です!! 再放送で観たことあっただけです! プリキュアですよね! えぇ、菜々も毎回観てますよ!!」
「え? 17歳にもなって観てるんですか……?」
「……あっれー」
もう何も言葉の出てこない菜々だ。
ボロが出過ぎてボロボロ。
いや、もちろん、彼女はプリキュアを欠かさず見ているのだろう。
「それよりも、最初にこのボクに声をかけなかったプロデューサーさんは何も分かっていませんね! ボクにかかればそんな奴らあっという間に倒せるというのに!」
シュッシュッとゆるふわなパンチを空間にお見舞いする幸子。
プロデューサーはというと、「はぁ、すいません」とそんな幸子を見ながら首の後ろに手を当てていた。
「わ、私は嫌だ! 明らかに大変そうな匂いがプンプンじゃないか! 私より、適任は人はたくさんいるって、考え直してよプロデューサー」
杏は半泣きになりながらプロデューサーに擦り寄った。話を聞く限りだと、確かに大変そうだし、杏向きではないと思う。
彼女からすると、幸子に無理やり付き合わされた結果、さらに面倒なことに巻き込まれようとしているのだ。
働きたくないと謳歌するだけあって、そんなことは彼女の望む話じゃない。
そりゃ半泣きにだってなる。
すると、プロデューサーは杏の顔の前にピースを作った。
突然のジャンケン? と菜々は首を傾げる。
「1回の出動ごとに飴を2つ。敵を倒すごとにさらに報酬は弾みます」
「あ、飴ちゃんくれるの!? って、だ、騙されないぞ……いつまでも杏が飴で動かせると思ったら大間違いだ!」
「……3つ」
「無駄だよプロデューサー!」
「それでは、4つでどうでしょう」
「…………もう一声」
「5つ」
「乗った!」
「チョロいなこの子!!」
契約金……もとい、契約飴として飴を5つもらった杏は満足そうに飴を舐めていた。杏との契約はあっさり成立。
ある意味、扱いやすさで言ったら彼女がダントツなのかもしれない。
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