過去ログ - 【Lv30】ぱらルカさんが くえルカさんになったようです前章【職業Lv10】
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◆ldFfAbiRv2
[saga]
2015/03/30(月) 22:53:49.16 ID:AHL7EkK60
ルカ「あいだだだだだ・・・」
白魔法と医学、果ては薬学まで駆使して治療を進めるが、やはり痛いものは痛い。
部屋の豪華さによる落ち着かなさなど、あっという間に流された。
アリスはというと、苦しむ僕を尻目に皿に盛られたあまあまだんごをパクパクと食べている。
ルカ「美味いか・・・?」
アリス「・・・・・・あまい♪ 貴様、トリプルコックならばデザートも作れるよな?」
ルカ「うん・・・体が万全に動けばね」
アリス「期待しているぞ」
今の僕は治療で精いっぱい。とても料理なんてできない状態だ。
それを察してなのか「今すぐ作れ」と言わないだけマシなのだろうか。
いや・・・ただ単にあまあまだんごにご満悦なだけみたいだ。
ルカ「おいおい、変身を解くなよ・・・・・・宿の人、来ないだろうなぁ」
アリス「・・・・・・ふぅ、美味かった。余は満足したぞ」
アリスは人の姿に戻ると、ベルをリンリンち鳴らす。
すると――――おかみ自ら、食器を下げに来てくれた。
どうやら僕たちはかなりのVIP待遇のようだ。
おかみ「当店自慢のあまあまだんご、満足してくれたかい?」
アリス「甘さが際立ちながらも、団子の風味を殺してはいない・・・・・・まさに、あっぱれな味だ」
おかみ「でも・・・最近は、ハピネス蜜が不足しててねぇ」
おかみ「このおだんごも、前ほど沢山つくれなくなったんだよ」
おかみ「ハピネス村もあんなことになって、男手が足りないから・・・まあ、仕方ないんだけどねぇ」
ルカ(ハピネス村に男手が足りない?)
向こうの世界ではハピネス村はハーピーと共存している。男手不足という状況そのものが考えられない。
でも、向こうではハーピーが太古の感染症に罹っていたはず―――
世界の違いは問題にも影響しているようだ。
ルカ「ハピネス村で、何があったんですか・・・・・・?」
おかみ「それがねぇ・・・あっ、そうだ。あんた達が行って、何とかしてやりなよ」
おかみ「傷が治ってからでいいからさ・・・」
おかみは全身ボロボロの僕を見てそういう。
ルカ「はい・・・」
傷の方は幸い骨には達していなかった。持てる技術全てを費やせばなんとか今夜一晩で治せそうだ。
おかみ「じゃぁ、おやすみ。ゆっくり休みなよ」
ルカ「はい、ありがとうございます!」
昨日の野宿とは違って、今日はふかふかのベッド。
感染症の可能性が駆逐できる上に、体力回復も相当な量が見込めそうだ。
アリス「しかし・・・腹が減ったな」
アリスが不穏な事を言い出す。
ルカ「満身創痍の僕から精を搾り取ったら、明日も使い物にならないよ」
再び僕は手を打った。いくら洗礼されていない精が欲しいからって、満身創痍の人間から搾り取ることは―――
アリス「そうなったら余が引き摺って行けばいい」
その希望は脆くも崩れ去った。でもまだ手はある。
ルカ「魔物が出たら・・・」
アリスは魔王である以上、魔物には手を出せない。動けない状態で放り出したらそれは―――
アリス「その前に道端に放り出す」
魔王様は無慈悲だった。
ルカ「・・・・・・」
最早何も言えない。痛みに耐えながら精を絞られる。想像するだけでゾっとした。
アリスはじっと僕の顔を眺め―――じゅるり、と舌なめずりをした。
アリス「洗礼を受けていない貴様の精は、なんとも美味そうだ・・・・・」
前言撤回。体力回復は・・・あまり見込めなさそうだ。
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