過去ログ - 佐々木「一つ、お願いがあるんだ」
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121:名無しNIPPER[saga]
2015/03/29(日) 01:20:38.10 ID:IwlMUGAtO

「ここってやっぱり北高よね?」

俺の隣にしゃがみ込み不安を少し顔に浮かべたハルヒが、俺にそう問いかけてくる。

「ああ、そうだろうな」

静寂と薄闇に包まれ、空気の揺れを感じさせない世界。間違いなくここはあの時と同じ空間だ。

「あたしね、前にもこうしてあんたと二人でこのおかしな世界に来たことがあるのよ。

 その時は、その、色々あって結局全部夢だったみたいなんだけど。今回もそうなのかしら」

「さあな」

「とりあえず、ここに居ても仕方ないわ。部室にでも行きましょ?」

ズンズンとハルヒは歩き進む。二回目だからだろうか、あいつもそれほど動揺してないな。

昇降口のガラス戸に、手をかけるハルヒの顔が映る。と、ガラス越しにあいつと目が合った。

その瞳は気を抜くとそのまま飲み込まれてしまいそうな、深くて暗いものだった。

金縛りにあったように目を離せずにいると、ガラスに映った顔が歪み気味の悪い笑顔を作る。

とっさに目を逸らして実物のハルヒを見ると、その表情はそこには伺えなかった。

鳥肌が立つ。何か、おかしい。




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