過去ログ - 佐々木「一つ、お願いがあるんだ」
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21:名無しNIPPER[saga]
2015/03/28(土) 21:30:16.77 ID:jVBRPo/YO

セットした覚えのない目覚ましに叩き起こされ、眠い目を擦りつつ朝の支度をしていると、

珍しく休日に早起きしている俺を妹が不審がり、このままでは引っ付き虫のように付いてきそうだった為、

隙を見て早めに家を出て自転車を走らせた結果、指定された時間の三十分以上前に駅に着いてしまった。

さて、どうして暇を潰したものか。

しかし駐輪場に自転車を停めてだらだらと改札前に向かうと、

驚いたことにそこには既に、鮮やかな紫色のブラウスに黒のフレアスカート、ロングブーツ、

といった服装を見事に着こなしている佐々木がいて、軽く右手を挙げこちらに手を振っていた。

「えらく早いな、待ったか?」

「ついさっき着いたところさ、何となくキミが早く来るような気がしてね」

「なら良かった、しかし大した勘の持ち主だな」

そう言うと佐々木は朗らかに喉を鳴らし、

「勘だけではないさ。そうであったら嬉しいなという願望が多分に含まれていた、と言っておこうか」

予想だにしていなかった吐露を受けて何も言えなくなってしまう。

「そういう意味で素晴らしいスタートだったよ。今日は良い一日になりそうだ」




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