過去ログ - 佐々木「一つ、お願いがあるんだ」
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53:名無しNIPPER[saga]
2015/03/28(土) 22:37:21.81 ID:jVBRPo/YO

新教室に入り、約一年ぶりに教室中央に位置する席に荷物を置く。

「よう、また同じクラスだな」

こいつはどんなコメントをするのか、それを楽しみに思いながら俺は前の席に座る佐々木に声をかけた。

しかし佐々木は何の反応も見せない。おいおい、そのリアクションは期待して無かったぞ。

聞こえなかったのだろうか、そう思い佐々木の肩に触れながら再び挨拶をする。

「あ、ああ。キョン、キミか」

「なんだ、折角また同じクラスになったってのにつれないな」

「いや、すまない。そういう訳では無いんだけど」

「しかしお前だけじゃなく、アホ二人に岡部まで一緒とは運が良いのか悪いのかわからんな。

 ……佐々木? お前大丈夫か?」

佐々木がいつもの穏やかな微笑からは程遠い仏頂面をしていることに気づき、そう尋ねたのだが、

答える佐々木の歯切れは悪く、放っておいて欲しそうに思えたので構うのを止めることにした。

あいつも久々の早起きで血の巡りでも悪いのだろう、なんてこの時は思っていたんだ。

――だが今から考えれば、これがとんでもない事態のサインだったのだ。

俺は底抜けの大馬鹿野郎だ。よく考えればそんなことであいつがおかしくなるなんて有り得ないだろうが。




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