過去ログ - 佐々木「一つ、お願いがあるんだ」
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67:名無しNIPPER[saga]
2015/03/28(土) 23:09:59.51 ID:jVBRPo/YO
ふと、こいつが消えて無くなるようなそんな寒気がして、俺は佐々木の身体を強く抱きしめた。
「心配しないでくれ、お守りもあることだし」
あいつは今にも壊れてしまいそうな笑顔で俺にヘアゴムを見せると、それを握り直し腕を俺の背に回した。
佐々木は深く空気を吸い込み、ゆっくりとそれを吐きだす。
今この瞬間も願望実現能力とやらが働いていて、こいつは俺には見えない何かを見ているのだろうか。
と、足元に何かが落ちる音がした。
佐々木の腕がだらりと下がっていることに気付いたのはその音がしたのとほぼ同時だった。
「おい……どうだったんだ?」
回した腕を解き一歩下がると、血の気の抜けたあいつの顔が目に入り俺は慌ててそう尋ねた。
「想像以上だよ。もう何もかも終わりだ。キミにも恐ろしいその真実を見せてあげるよ」
え? どういうことだ? そう言う間もなく俺の目の前が真っ暗になっていく。
消えゆく意識の中、光を反射して鈍く輝くスミレのモチーフが佐々木の足元に落ちているのが見えた。
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