過去ログ - 佐々木「一つ、お願いがあるんだ」
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88:名無しNIPPER[saga]
2015/03/28(土) 23:47:06.64 ID:jVBRPo/YO
「いや、本当はわかっているんだ。
高校受験にあたって、自分の感情に蓋をしてキミとの関係を断ち切ろうとしたことが全てなんだ。
キミに再開した時、キミの心が既に涼宮さんに向いていることに気づいてしまった。
わかっていながら僕は、SOS団を、涼宮さんを抹消し、キミのその気持ちを踏みにじった」
「待て、確かにそうしたかもしれないが、お前は力を手に入れたことを知らなかったんだろ?」
「そうかもしれない。だが、キミの親友を自称しながら、深層心理ではこう望んでいたということさ。
SOS団も涼宮さんも消えてしまえばいい、とね。僕はそんな自分を赦すことが出来ない」
「そんなもんお前、誰だって少しは――」
「苟も強大過ぎる力の器の候補であった僕に、一般論を当てはめてはいけない」
「いや……。ん、待てよ? その力を使えばやり直しが効くんじゃねえのか!?」
「残念だがこの力を利用してあの世界に戻り、あの悲劇が起きないよう工作するというのは不可能だ。
この世界に浸かりきって、キミの肌の温もりを知ってしまった今となっては余計にね。
僕はね、キミを心から愛しているんだ。キミが、そして僕自身さえ想像がつかないほどに。
だからきっと同じことを繰り返す。自分が物語のヒロインとなるよう脚色することを避けられない」
そう言って、あいつらしい皮肉と諦観を孕んだ笑みを浮かべた。
「願望実現能力という解放されることのない呪縛に僕は罹ってしまったのさ」
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