過去ログ - 姉「知らないあなた」 百合ver
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14: ◆/BueNLs5lw[saga]
2015/03/30(月) 23:34:55.43 ID:ayTjSxM50
妹「お姉ちゃん、ほら、土手に菜の花がたくさん咲いて綺麗」
姉「ほんと……」
人肌のような風が花粉を運ぶ。姉の鼻孔を甘いにおいがくすぐった。
夕暮れ時、川沿いを散歩コースにする人は多い。
故郷を出る前まで、いつもこの時間は妹と犬の散歩へ出かけていた。
黒く焦げたような古めかしい家々の広がる山すそが、なんだか侘しい気持ちにさせる。
妹は青を踏み、自ら道を作る犬の後に続く。
妹「お姉ちゃんが出て行ってからね」
姉「ええ」
妹「私、一人でこうやって歩いて、思ったのが」
姉「うん」
妹「お姉ちゃんと一緒にいられていた時間って、長い人生の中でほんのちょっとだけだったんだなって」
姉「どうしたの急に」
姉は笑いかける。
妹「だってね、小さい頃からお姉ちゃんがいることが当たり前だったでしょ。でも、離れ離れになって分かったの。そんな当たり前のようなことも、ほんのひと時のことだった」
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