過去ログ - 櫻子「めぐみの雨と、恋で咲く花」
↓ 1- 覧 板 20
12:名無しNIPPER[sage]
2015/03/30(月) 17:32:03.32 ID:JxUSEnW0o
(……わかってる)
答えを探りに来たものの、その答えはとうにわかっているのだった。
終わりにしたかったのだろう。新しい世界へ踏み出すために、今までの思い出と決別したくて。
あのキスで、私たちは終わり。そういうことだ。
楽しかった、撫子と付き合う日々。けれどそれは所詮、ちょっと進んだ高校生同士の秘密の関係。私たちが一緒にいられたのは、同じ高校の同じクラスの友達同士だったからだ。
当たり前のように一緒にいられた環境。だからこそ女同士の私たちでも、秘密を貫いたまま付き合うことができた。
その環境がなくなってしまえば、私たちはもう今までのような密接な付き合いはできない。
だからそんな二度と叶う事のない夢のような過去に別れを告げて、新しい世界で現実的な未来がお互い歩めるようにと、いさぎよくキスで幕を閉じてくれたのだ。
自分のために、私のために。
(最初からそうだったんだ)
(撫子は、付き合ってくれると言ったあの日から……卒業と共に終わる関係だと決めていたんだ)
(だからこそ、私のために一生懸命な彼女でいてくれた……)
94Res/85.35 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。