過去ログ - 櫻子「めぐみの雨と、恋で咲く花」
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20:名無しNIPPER[sage]
2015/03/30(月) 17:37:13.99 ID:JxUSEnW0o
「ちょーっとだけ片づけるから、ベッドで座って待ってて?」


櫻子の部屋はちょーっとではなく、そこそこちらかっていた。読んだら読みっぱなし、脱いだら脱ぎっぱなしという痕跡が見受けられる。

ちらかった雑誌等を手際よくぱぱっと整頓し、大量の洗濯物を抱えて、器用に足でドアを開けて櫻子は出て行った。以前少しだけ櫻子の部屋を覗かせてもらったことがあったが、今ほどのちらかり具合ではなかったことを思い出す。

撫子がいなくなって、注意する人がいなくなったのかなと、少しだけ思ってしまった。



「はいはい、おまたせー」

「うん……」


戻ってきた櫻子が、私の隣にぽすんと座る。ベッドのスプリングが揺れて、私の身体も少し上下する。


「…………」

「…………」


「で、何の用だっけ?」

「えっ」

「えっ?」


「いや、櫻子ちゃんが話したいって言ってくれたから、私ついてきたんだけど……」

「あっ、ああ〜〜そっかそっか! 忘れてた……えへへ」

「…………」


櫻子の相変わらずっぷりに、さっきまで泣いていた自分も思わず頬が緩む。私を元気づけようとしてくれたのかなと思ったが、おそらくこれが彼女の素なのだろう。



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